これこそ新時代のラグジュアリーカーか!と驚くようなモデルをレクサスが準備中。2023年中の発売が予定されている、レクサスLMの2代目です。
■完全運転手仕様を持つ“ラグジュアリームーバー”
「乗員が自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることを目指しました」(レクサス)とされる、全長5125mmと余裕あるサイズのミニバン。
なにが驚くって、LM=ラグジュアリームーバーと定義したレクサスの思惑どおり、いままでになかったといえるデザインコンセプト。完全ショファー(運転手)仕様が用意されるようです。
どんな仕様かというと、前席と後席のあいだに、完全なパーティションが設けられます。小さなパワーウインドウを通して前後席間の意思疎通は可能ですが、そこをブラックアウトしてしまえば、走る個室。
しかも後席のシートは左右ともフルリクライニング可能。ようするに、航空機でいえばビジネスクラス以上ですね。移動中の仮眠を大事にする多忙な人がターゲットです。
パーティションには、48インチの大型ディスプレイが埋め込まれています。動画を見ることもできるし、またマークレビンソンのオーディオで音楽を楽しむことも可能(いい音なのです)。
シャシーを共用するアルファード/ヴェルファイアでは、2列めシートのフルリクライングモードはあっても、パーティションはありません。
天井から展開する後席用モニターも大きいとはいえ14インチ。BMWの新型7シリーズで選べる31インチのデカい画面に、サイズの面ではやや退けをとっていたのは事実。
LMの開発陣は、「BMWは意識しませんでした」とのこと。実際、フルリクライニングモードはBMWにはありません。
ここだけの話、フルリクライニングモードは推奨できません、とレクサスの開発者。フルフラットの姿勢は、セイフティベルトで体の固定が充分にできないため、万が一のときに不安定なのです。
なので、新型LMのプロトタイプで、私が探しても、航空機のようなワンタッチでフルリクライニングになるコントローラーは見つかりませんでした。ここ、レクサスの見識、と思った次第。
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