■負けていられない日本勢のEV攻勢
日本勢も、負けていられないとばかり、EVをどっと送り出しました。
▼トヨタ
トヨタは、BEVのSUV「FT-3e」とGRブランドのスポーツタイプ「FT-Se」。「電動化、知能化を牽引する」(トヨタ自動車ホームページ)とされるレクサスはファストバックセダン「LF-ZC」の「LF-ZL」を展示。
トヨタ自動車は2026年に新世代のBEVを展開するとしていて、とくに今回のレクサスLF-ZCは、そのうちの1台とされています。
走行距離1000キロを目指すリチウムイオン電池と、テスラが先鞭をつけた生産技術「ギガキャスト」を採用。ここから日本の乗用車の新しい時代が始まるのかもしれません。
もう1台、これは売れそう、と思わせられたのが、トヨタ車体の「ヴァルファイア・スペーシャスラウンジ(コンセプト)」。ヴェルファイアをベースに、2列めにベース車にはないフルフラットシートを設けた仕様が設定されています。
▼マツダ
これが現実になったらほしい! と話題を呼んでいた1台が、マツダがお披露目したスポーツカー「アイコニックSP(コンセプト)」。絶対的に美しいボディは、前ヒンジで上にはね上がる、いわゆるディヒドラルドア採用。ドライブトレインは、ローターエンジンを充電用に使うシリーズハイブリッドとされています。
▼スバル
スバルのブースで話題を呼んでいたのは、世界初公開「エアモビリティコンセプト」。いわゆる空飛ぶクルマを研究しているスバル、今回はショー展示用で、飛ばないモデル。
社内には、ほぼ同じスケールで技術実証機として仕立てた機体があり、実際に飛行させているとのこと。
▼日産
日産自動車は、次期GT-Rか、と話題を呼んでいる「ハイパーフォース」なるコンセプトモデルを展示。全固体電池という近未来の駆動用バッテリー搭載を謳うスポーツクーペです。
日産が発表した5台のコンセプトモデルは、エピックゲームスのオンラインゲーム「Fortnite」内のオリジナルコンテンツ、日産「Electrify The World」にも登場。同社の展示は、ゲームの世界とのコラボレーションに熱心なもようでした。
今回、日本の自動車メーカーは、スタートアップとなにかしらの協業をしてほしい、と主催団体である日本自動車工業会から言われたとか。その結果が小さな電動バイクだったり、ゲーム会社だったりで、ARとVRの境があやふやなコンセプトもあって、時代を感じさせました。
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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