■音漏れ防止など全方位に完成度アップ
実機を手にすると、外見はほぼ普通のメガネ。OWNDAYSコラボモデルにあるブラックのスクエア型のフロントデザインは、一般的なメガネと見分けが付きません。
オーディオグラスとしての機能はテンプル部分に組み込まれているので、メガネとしては若干幅が太め。ただ、ヒンジ部分が柔らかく広げられるので装着感はゆったりです。重量29.5g(レンズ抜き)と、実際に装着していても特別重さを感じることはありません。
では“オーディオグラス”の機能をチェックしていきましょう。
充電はテンプル先端に充電コンバーターを取り付けUSB-C端子経由で行います。バッテリーは音楽再生で最大11時間、音声通話で最大9時間。約10分の充電で音楽再生3時間、通話2時間という急速充電にも対応。なお設定アプリ“HUAWEI AI Life”を使ってタップ、長押し、スワイプ操作のカスタマイズが可能です。
音はテンプル部分に付けられた「同一指向型デュアル振動板スピーカー」から出ます。耳に向けて下向きに付けられたスピーカーからは音楽が。そしてなんと上向きのスピーカーも搭載していて、音楽再生時にはここから周囲への音漏れをキャンセルする音を同時に流す仕組みです。
このように、テンプル部にいろいろ詰め込まれているのですが、ガジェット感はまったくありません。樹脂の黒色のデザインもスタンダードだし、ボタン類がなくタッチ&スワイプ操作のみ。そして電源操作周りが着脱センサーで完結しているなど、本当に良くできています。ちなみに、IP54の防塵防水仕様です。
実際に装着すると、当然ながら耳はオープンなので周囲の音はそのまま聞こえます。装着してスマホの音楽を再生して出歩いてみると、周囲の音と再生音を比べたら、常に周囲の音の聞こえが勝ちます。自宅やオフィスで話しかけられても気づくし、路上や電車内や駅構内でも安全。着けっぱなし(掛けっぱなし)のオーディオとしては完璧。
なお、音楽リスニングの音量と音漏れは、周囲の騒音次第ですね。音楽の音量は周囲の騒音次第で変える必要があり、例えば自宅でならiPhoneの音量で1〜5程度だけど、地下鉄の電車内なら4〜9程度まで必要(地下鉄で音量1や2では騒音に負けて、音楽はまったく聞こえません)。
音漏れの観点で言うと、静かな自宅ではソファで隣に座ると音量5の“ちょうど良い”くらいの音量なら気になる漏れはなく、音量6の“少し大きめかな”でようやくほんのり聞こえる程度。一方、地下鉄の騒音下だと音量5では自分が音楽を聴く音量としても小さく、隣の座席の人にも聞こえないので…自分の聞こえ方をもとに、音量を上げ過ぎないようにと判断するべきでしょう。
音質は、耳よりも少し上の位置から自然に空間が広がるイメージ。声のクリアさを狙った割り切った音ではなく、音数の多さと質感で勝負する、オーディオグラスとしては異例の高音質です。
ボーカルや楽器の音が空間上の定位として分離するし、同時に中低域も平面的ではなく空間を満たす肉厚さとダイナミズムを感じられます。最近流行りの臨場感重視のオープン型にも似たタイプですね。
YouTubeのニュース番組を視聴しても音質に割り切りがなく、出演者による声の質感の違いも出るし、番組によって作られた空間の広がりもしっかり出るところが高音質。
そして、テストして驚いたのが通話マイク音質の良さ。マイクは通話マイクとノイズキャンセルを組み合わせた仕様ですが、自分の声を拾った通話音質がとても良く、また騒音下で聞いても周囲の音をほぼキャンセル。風ノイズ低減設計もなされていて、ビジネス目的で通話にもおすすめです。
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HUAWEIとのコラボにより第2世代として登場した「OWNDAYS×HUAWEI Eyewear 2」。音質などのオーディオ性能アップと、取り回しの良さや快適さなど、細部まで丁寧に作り込まれた完成度の高さに驚きました。
OWNDAYS版なら4つの型に各2色というデザインも豊富だし、店舗で度付きレンズを入れられる点も安心。本当に実用になるオーディオグラスを欲しい人にとっては、文句なしに買いモデルです!!
>> OWNDAYS
<取材・文/折原一也 取材協力/OWNDAYS>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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