遊べるBEVがいっぱい!「ジャパンモビリティショー2023」で見つけた走る姿を見たい電動自動車14台

1. レクサス「LF-ZC」/2026年に発売予定の次世代BEV

“クルマ屋ならではのBEV”を打ち出したレクサスは、BEVコンセプトカーを展示しました。そのひとつが2026年の市販化を目指して開発しているという次世代BEV「LF-ZC」です。

車体構造やコンポーネントを小型軽量化することでパッケージングの自由度を高めているのが特徴で、モーターなどが収まる前方のフードを短くしてキャビンを広く取っているのが一目でわかります。

ボディサイズは全長4750×全幅1880×全高1390mmで、ホイールベースは2890mm。エネルギー密度を高めたリチウムイオンバッテリーにより、航続距離は従来の約2倍となる1000km(目標値)とされました。

注目すべきはコックピット。空力を最優先し(Cd値0.2以下)、全高も1400mm以下に設定されていますが、前席の乗員を低く着座させることで室内空間に広がりが生まれ、フラットなフロアとパノラマルーフで頭上の開放感も実現。そして各種操作機能をステアリング両側に設置されたデジタルパッドに集約。最小限の動きでさまざまな操作が行えるようにしています。

現在のBEVはまだ従来の自動車の延長上にあるスタイルですが、バッテリー性能が上がるとともにADASの進化により、クルマが従来のものとは違う形になっていく。近い将来に発売される予定のクルマから、そんな未来を感じることができるモデルです。

 

2. レクサス「LF-ZL」/未来のビジョンを示唆したフラッグシップBEV

全長約5300×全幅約2020×全高約1700mm、ホイールベースは約3350mm。威風堂々としたスタイルで我々の前に登場した「LF-ZL」は、未来のビジョンを示唆するフラッグシップコンセプトモデルと謳われています。

3mオーバーのホイールベースで、ドライバーズシートはもちろんリアシートの快適性が高められているのは一目瞭然。レクサスも「BEVならではのパッケージングの自由度の高さや空間効率の良さを活かした広々とくつろげるインテリアに、従来のおもてなし装備をより先進的かつ心地よいものとすることで、これまでになかったモビリティ体験を提供」と発表しています。

クルマに搭載されるセンサー類と社会のデジタル情報が連携し、インタラクティブにクルマと人がつながるようになるなど、これまでとはまったく違う体験ができるようになるはずです。

 

3. トヨタ「IMV 0」/自分好みの1台をトヨタと一緒に完成させよう!

トヨタが公開したピックアップタイプのコンセプトモデルが「IMV 0(アイエムブイ ゼロ)」。荷台部分はシャシーがむき出しの状態になっています。これは最後にキャビンの後ろをオーナー好みに作り上げられるようにしたもので、キッチンカー、搬入車などさまざまな形に架装したスタイルが提案されました。

&GP読者なら、まっさきにこれをキャンピング仕様にすることを思い浮かべたはず! たとえるならキャブコンのベース車であるカムロード的なものですが、カムロードだとトラック的なルックスになるのに対し、こちらはスタイルにこだわったキャンピングカーが作れそうです。

IMVはInnovative International Multi-purpose Vehicleの略で、需要のある地域で生産することで、グローバルで効率的な生産・供給体制を構築するというプロジェクト。「IMV 0」はその原点に立ち返ったモデルで、まずは新興国での販売に向け着々と準備が進められています。

 

4. トヨタ「FT-Se」/カーボンニュートラル時代のスポーツカーの形

クルマの電動化が進む中で、走り好きの人たちからは「クルマが楽しくなくなる」という嘆きが聞こえてくることもあります。トヨタはその声に応える形で、高性能スポーツBEVモデルを披露しました。

ワイド&ローなスタイルは見ているだけで走りの良さをイメージさせます。同時に公開されたSUVタイプの「FT-3e」と主要コンポーネンツは共有していますが、操縦安定性を高めることで高次元での走る楽しさを提供するモデルとなっています。コックピットには走行時のGから身体を保持するためのニーパッドが装着されるなど、BEVならではの本気の走りが体感できるモデルであることを予感させます。

 

5. トヨタ車体「X-VAN GEAR CONCEPT」/ミニバンの利便性とSUVのアクティブさを融合

ハイエースやランドクルーザー、アルファードなどを生産しているトヨタ車体が公開したコンセプトモデルは、アクティブな雰囲気が漂うキャブワゴン。ミニバン並の大空間にSUVのアクティブなイメージを融合した、遊びに使えるバンになります。

ボディサイズは全長4695×全幅1820×全高1855mmと扱いやすいサイズで、乗車人数は6人乗り。走行性能は現段階では公表されていませんが、このカテゴリーは三菱 デリカD:5の独壇場なので、SUV並の走破性が与えられたら、強力なライバルになるのは間違いありません。

 

6. ホンダ「プレリュードコンセプト」/あの名車の名前が22年ぶりに復活!

2022年4月にモビリティの電動化を宣言した際、ホンダは「カーボンニュートラルや電動化に挑む中でも、常にFUNもお客様に届けていきたいという想いから、操る喜びを電動化時代にも継承し、Honda不変のスポーツマインドや、際立つ個性を体現するようなスペシャリティとフラッグシップ、2つのスポーツモデルを、グローバルへ投入していきます」と予告しました。その1つが、今回ワールドプレミアされたプレリュード コンセプトでした。

プレリュードといえば、1978年に初代が登場し、1982年デビューの2代目、1987年デビューの3代目は“デートカー”として一世を風靡しました。

そんな名車が復活することに、SNSなどでは賛否両論沸き起こっていますが、BEVでスペシャリティモデルを投入することは素直に歓迎したいと思います。展示されたモデルを見る限り、市販化もそう遠くないはず。ファンは楽しみに待っていましょう。

 

7. ホンダ「Cruise Origin」/ドライバー不在の自動運転タクシーを公開

GM クルーズホールディングスLLC、ゼネラルモーターズ、本田技研工業の3社は、日本での自動運転タクシーサービスを2026年初頭に開始するためのサービス提供を担う合弁会社設立に向けた基本合意書を締結したことを発表しました。「Cruise Origin」は、そのサービスでの使用を想定した自動運転タクシーです。

車内に運転席はなく、広い空間がプライベートスペースになり、最大6人で乗車することが可能。まずは東京都心部で数十台からサービスを開始し、500台規模へと拡大。その後、サービス提供エリアを拡大していく予定とのこと。数年後に無人タクシーが街を走るなんて、にわかには信じられない未来です。

 

【次ページ】このまま市販してほしいBEV軽トラ

この記事のタイトルとURLをコピーする