【エントリーNO.1】お湯を注ぐだけで即使用可能。伝統の暖かさ「湯たんぽ」
沸かしたお湯を入れるだけで、簡単にぬくもりを得られる湯たんぽ。今回は湯たんぽのトップメーカー、マルカの「金属製湯たんぽ(3900円)」を使用。
マルカの湯たんぽの歴史は古く、大正12年に遡ります。発売されて以降100年以上、冬の布団を暖め続けてきたその性能やいかに。
【エントリーNO.2】、手軽さはNO.1!ウォーターボトルを使った“擬似湯たんぽ”
次はウォーターボトル。つまり水筒ですね。これを湯たんぽがわりに使用するテクニック。徒歩や公共交通機関を使ったキャンパーたちによく使われている印象があります。
注意点としては、入れるお湯の温度。そもそもお湯を持ち運ぶ想定のギアではなく、耐熱温度はあったとしても100℃。なので、沸騰した直後のお湯を入れるのは御法度です。
【エントリーNO.3】原型は平安時代に発明されていた?じんわりとした暖かさが続く豆炭あんか
ベテランキャンパーたちと寒い地域にお住まいの方ならご存知の“豆炭あんか”。豆炭と呼ばれる特殊な炭を燃料にした、暖房器具です。一説によればその原型は平安時代には存在していたとされ、歴史の長さは今回紹介の4つの中でも圧倒的。
今回はミツウロコヴェルセルの「豆炭アンカ(実勢価格:7800円)」を使用。
注意点としては、一酸化炭素中毒の危険性。寝袋だけでなく、テントも締め切らないようにするなど、細心の注意が必要です。
【エントリーNO.4】電源さえあればいつままでも暖かい!掛敷電気毛布
最後のエントリーは、昨今のキャンプブームにおいて不動の熱源王者となった掛敷電気毛布。これまでは主に電源サイトでしか使えないという点がデメリットでしたが、ポータブル電源の登場により一気に普及した印象です。
私の想定では、ぶっちぎりの優勝ですが、果たして。
* * *
外気温が4℃、使用した寝袋はコンフォート6℃のダウンシュラフ。この足元で実験スタート(電気毛布は背中全面に敷いて使用)。果たして結果は?
さて、実験結果の発表です。
総合優勝は……マルカの湯たんぽ!
お湯を投入したばかりは熱いくらいでしたが、寝る30分ほど前に忍ばせておくと寝る時にはちょどいい暖かさに。
湯たんぽ本体の温度が徐々に下がってくるため、体からの発熱とのバランスがちょうど良く、一晩を通して暑すぎず寒すぎずのちょうどいい塩梅に。冷え込む朝方でも、ほんのり暖かさを感じられるくらい。
それに加えて、お湯を注ぐだけで簡単に使えるということと、価格もお手頃で自宅でも活用できるということが優勝の決め手となりました。
次点は電気毛布。
今回、寝袋の中に敷いて弱モードで稼働していましたが、寝つきはOK。一気に冷え込む明け方も寒さ知らず。ただ、途中暑くて目が覚めて、電源を切ると、今度は寒くて目が覚めて…が何度かありました。寝袋内ではなく寝袋下に敷くのが正解かもしれません。
次は豆炭あんか。暖かさと持続力は十分。寝つきも良しと、湯たんぽに引けを取らない性能でした。ただ、一酸化炭素中毒の不安もあり、寝袋とテントの入り口を少し開けながらの使用だったため、肌寒さを感じるという結果に。顔と肩が寒かったんじゃ …。
最後はウォーターボトル。用途がそもそも違うため、さすがに専用器具との比較は酷でした。ただ、寝る前に寝袋を温めておく使い方や予想外の冷え込みへの対処法としては十分。容器の耐熱温度の問題もあるので、あくまで一時的な使用にとどまる方がよさそうです。
というわけで、寒い冬キャンプを暖かく寝るための熱源選手権でした。安定の湯たんぽでしたね。
…と、ここまでやっておいてなんですが、冷えた寝袋ではなかなか寝付けませんので、熱源の良し悪しよりも「寝る前に寝袋を温めておく」ことこそが重要かもしれません。
熱源なしと比べれば、どれもしっかり寝付けましたし、そもそも冬キャンプに行く時点で、外気温に対応できる寝袋を持っているわけですから。
<取材・文/山口健壱 写真/逢坂聡>
山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)
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