本場ドイツ気分を満喫!焚き火で黒ビールがおいしくなる!?

▲焚き火から取り出した「joule」をドリンクに。ククサなど木製カップは底やフチに触れないよう注意

「joule」を入れるとあっという間にカップに入った飲み物が沸騰!

石をチンチンに焼いて鍋に入れる"石焼き鍋"と似た仕組みで、手元の飲み物を加熱・再加熱するために生まれた道具が「joule」なんですね。

その場で拾った石を加熱してもよさそうな気がしますが、石によっては熱すると割れるものもあって危険。「joule」なら安全にカップの飲み物を加熱できるんです。

小鍋に移し換えなくてもよく、また、カップを焚き火にかけなくてもいいので底が煤で汚れることもありません。

一方、丸い球が印象的な「joule Pro」はビアスパイク専用の道具。

ビアスパイクはドイツの鍛冶屋で生まれた"ビールの泡を焦がして風味の変化を楽しむ”というちょっと珍しい味わい方です。

こちらも焚き火でよく金属を熱してからビールに浸すのですが、ビールを温めるというよりは泡をつくってその泡を焦がす道具。

「joule」でもビアスパイクを作れますが、「joule Pro」は泡だけを狙えるようハンドルが付いています。

 

■泡を焦がすなら「joule Pro」

ビアスパイクはホットビールとは違って、ビールは冷たいまま、泡だけ焦がすのがポイント。どんな味? 初めて手にした人でも本当にできるのか? 試してみました。

まずは「joule Pro」で。

▲「joule Pro」をビールに浸すのは1秒ほど

熱した「joule Pro」を黒ビールに沈めると、すぐに沸騰したかのようにぶくぶくっと泡が立ち上がります。

▲ぶくぶく泡の表面や泡の内側を数秒なぞる

引き上げた「joule Pro」の球部分で泡をなぞると、香ばしくなって、泡もちょっとだけですが色が濃くなります。どんな状況が正解かわからないけど、ひとまずこんな感じで完了としました。

▲泡があたたかいのはなんだか新鮮

何度か試してみましたが、ビールに浸して3秒くらいたつと、ほんのりぬるい。サッと引き上げ、ていねいに泡を焦がすといいようです。

ちなみに黒ビールにもいろいろ種類があって、今回用意したのはビアスパイクを生んだドイツの鍛冶屋にちなんでバイエルン地方発祥の黒いラガー。苦み控えめなビールですが、泡を焦がしたからでしょうかほろ苦さが際だったような? ほかの黒ビールではどうなるか、エールビールでは? いろいろ試したくなります。

ハンドルのない「joule」でもビアスパイクを楽しめます。

▲「joule」でもできる

専用ハンドルは本体の穴を利用してがっちりつかめるのですが、そうだとわかっていても落としそうな気がして必要以上にギュッと握ってしまうわけで…。操作性はやっぱり専用設計の「joule Pro」に軍配が上がります。

また、「joule」のほうが熱を蓄える量も液に触れる面積も大きいため、タイミングがズレると温度が上がりやすいようです。決してイヤなぬるさではないのですが、「joule」ならはちみつとスパイスを加えてあえて長めに沈め、ホットビールっぽくするのもいいかもしれません。

 

■キャンプで実用的なのは「joule」か

▲「joule」を焚き火から取り出すのは専用ハンドルではなく、手持ちの焚き火用トングで

tougu担当者によると、「joule」はほかの調理器具といっしょに持ち運べるようあえてハンドルを付けず小型化を図っているそう。

小型化というとパワーが落ちているんじゃないのかと心配になりますが、ハンドルがないだけで「Joule Pro」よりも蓄熱性あり。カップ2杯の飲み物を続けて80℃まで加熱できるんです。

一方、「Joule Pro」の球部分は「Joule」より小さく、飲み物を再加熱する力は半分ほど。ビールの泡を焦がすのに特化しているのでそのあたりを踏まえて選べばいいでしょう。

いずれにせよ香ばしさとともにビールがぶくぶく沸くサマはかなりおもしろく、場を盛りあげます。焚き火道具のひとつに加えてもいいかも。

こんな味わい方を後世に残してくれたドイツの鍛冶屋さん、そしてキャンプ向きプロダクトに仕立てたtouguの知恵に乾杯!

>> tougu

<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡 撮影協力/tougu>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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