■タイマーをセットしたら放置でOK
実際に何度か試してみましたが、この「HOME ROASTER」、エントリーモデルとしてかなりいい感じ。
使用方法がとにかく簡単なのがポイントで、生豆を本体に入れたら、タイマーをセットし、電源ボタンを1度押すだけの簡単3ステップ。
ちなみにUIもかなりシンプル。本体下部に電源ボタンがひとつあるだけですが、直感的に操作しやすい、分かりやすい仕組みになっています。
設定した時間を過ぎると、自動で冷却が開始されるので焙煎後にコーヒー豆を冷ます手間もかかりません。
また、焙煎時に出る大量のチャフも、気流に乗って本体上部のチャフトレーに収まるため、あの地獄のようなキッチンの掃除も必要なし。
自家焙煎をするときの煩わしさが全てなくなっているので、本当に手軽に自家焙煎コーヒを楽しめます。
■時間しかいじれない。だがそれがいい
「HOME ROASTER」ではユーザーが調節できるのは焙煎時間だけ。ヒーターの温度は調節できません。「それじゃあ本格的な焙煎はできなくない?」と思われるかもしれませんが、逆にこの“時間だけが調整できる”というのが焙煎初心者にはかなりいい塩梅。
コーヒーを自家焙煎する面白さは、生豆の特徴を考えつつも、自分好みのちょうどいい焙煎具合を探していくことにあります。
ですが、そう簡単にはいかないのがコーヒー焙煎。数ある条件を変えながら何度もチャレンジする必要があります。
一方で、この「HOME ROASTER」は、時間を調整するだけで焙煎具合をコントロールしていくので、かなりシンプルに焙煎に挑戦できるわけです。操作できる要素が沢山あればあるほどパニックになってしまいますからね。
私のような「コーヒー焙煎に興味があるけど、なにから考えればいいかよくわからない」という焙煎初心者にはこれくらいシンプルでちょうどいい気がします。
色々試した中での目安としては、30g程度の豆なら15分セットで中浅煎り、19分セットで中煎り、23分で深煎りに仕上がります。豆の状態にもよりますので、ご参考程度に。
■焙煎度合いが丸わかり!好みのローストを狙い撃ち!
焙煎に慣れてきたけど、もっとコーヒー焙煎を楽しみたい人に試して頂きたいのが“タイマー25分セット”です。個人的にはこの使い方が一番よかった。好みのローストを狙い撃ちできちゃいます。
やり方は簡単で、タイマーを最大の25分にセットしスタート。好みの焙煎度合いになったら焙煎をストップするだけ。
ローストコンテナがガラス製のため、常に焙煎度合いをチェックできるのと、焙煎中に電源ボタンを1度押すだけで焙煎をストップできるので、好きなタイミングで焙煎を止められるんです。
焙煎機の前につきっきりじゃなくてOK!という強みはなくなりますが、それでもこの“好みのロースト具合を狙い撃ちできる”というのはかなりいいですね。短い時間でタイマーを回すよりも焼きムラもかなり少ないように感じます。
焙煎の勘所がわかってきてもう一歩踏み込んで楽しみたい! という方にはこの使い方、おすすめです。
と、ここまでその使用感の良さと仕上がりのクオリティの高さを語ってきましたが、自宅焙煎では音や、ニオイ、煙の有無も気になりますよね。
ちなみに音は、なかなかいい音が出ます。ドライヤーを回してる時の音に近いでしょうか。住んでいる部屋にもよりますが、焙煎する時間は選んだほうが良さそうです。
ニオイについてですが、まったくしない!ということはありません。一般的な直火ロースターと比べても同程度のニオイは出るので、使用する際は必ず換気扇を強モードで回しましょう。ただ逆に言えば、自動焙煎機なのにニオイでも焙煎度合いを確認できるということなので、先ほど説明した「タイマー25分で好みの焙煎度合いで止める」をする時の目安にもなります。
そして煙は少ない印象。中煎り程度であれば煙は全く出ませんでした。深煎りでもハンドロースターのようにモクモク上がってしまうようなことはありませんでした。これなら自宅キッチンでも問題なく使えますよ。
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ハンドル付きのザルを使った直火でのハンドローストや、ガスコンロにセットして焙煎するドラム式焙煎機を使用したこともありますが、どうしてもレシピを見つけるのが大変というのがコーヒー焙煎の大きな壁。それだけでなく、焼きムラが出る、火力調整が難しい、煙があがって換気が...となにかと大変。
そんなコーヒー焙煎ですが、「HOME ROASTER」はとにかく手軽さが際立った使用感のロースターで、これなら誰でも気軽にコーヒー焙煎にトライできる、そんな仕上がりでした。
小型卓上ロースターは、これまであまり良い評判を聞いていなかっただけに、正直なところあまり期待していなかったんですが、ここまで使いやすいとは。焼きムラもかなり少ないですし、持ち上げるわけじゃないですが、ちょっと感動。
最近では、大手通販サイトでも品質の良い生豆が販売されるようになってきました。コーヒーにハマって、ハンドドリップはできるようになったけど、なかなか焙煎は手が出しにくいんだよなぁ。でもやってみたいなぁ。という私みたいなコーヒー沼に片足突っ込んだ人の入門用としていかがでしょうか。
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<取材・文/山口健壱 撮影協力/weroast>
山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)
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