大きなパックのプレーンヨーグルトを食べ切らずに取っておくと、翌日には水分(乳清)が出てきますよね? 実はヨーグルトの水分量は約8割もあるんです。
ギリシャヨーグルトは、ヨーグルトを水切りしたものになります。水切りをすると、カサが減って濃縮されます。濃縮の度合いはメーカーによって違いますが、2~3倍が主流のよう。ということで、同じ重量なら、ギリシャヨーグルトの方がタンパク質量も2倍、3倍になるのです。
ギリシャでは昔から牧畜が盛んで、ヨーグルトは紀元前から遊牧民が作っていました。伝統的なギリシャヨーグルトは、モスリンという薄いガーゼに似た布で濾して脱水させます。水分を抜いたヨーグルトは、クリームのように濃厚でなめらかなギリシャヨーグルトになります。
技術を誇る日本メーカーのギリシャヨーグルトはもちろんおいしいのですが、ギリシャで初めてギリシャヨーグルトを食べた時は、ナニコレ!? とビックリしました。
ねっとり濃厚で、コクがあり、超なめらか~! ミルキーな感じと心地よい酸味とのバランスがよく、いくらでも食べられます。
■ギリシャの朝食に欠かせないギリシャヨーグルト
ギリシャでは、朝食時にフルーツなどを添えてヨーグルトをいただくことが多く、滞在中のホテルの朝食には必ずといっていいほどギリシャヨーグルトが出てきました。
ですから、まずは朝食がギリシャヨーグルトに出合える最初のチャンスです。
私のイチオシの組み合わせは、イチゴ!
果肉がやわらかく、甘さのあるフルーツと相性がいいと思います。
■デザート&軽食&ワインのお供にも!
ギリシャヨーグルトは、朝食時だけでなく、食後のデザートとしても食べられます。
ギリシャの山間部にあるスキーリゾートの山小屋では、蜂蜜やナッツをかけたギリシャヨールグトがデザートとして登場しました。ギリシャヨーグルトならではのクリーミーなテクスチャーに、甘いギリシャ産ハチミツがまったり絡み合い、甘美でうっとり。ヨーグルトには心地よい酸味があるので、甘いハチミツと合わせても、後味がサッパリします。
ギリシャはハチミツの生産でも有名なので、スーツケースに余裕があれば、ぜひハチミツをお土産に。日本でギリシャヨーグルトを食べる時に垂らせば、よりギリシャ度がアップすることでしょう。
■スイーツ作りにももってこい!
ギリシャヨーグルトは、生クリームとクリームチーズの中間のような質感で、スプーンを逆さにしても落ちないほどの濃度があります。ですから、ただ食べるだけでなく、色々なアレンジも可能です。
例えば、クリームチーズの代わりにチーズケーキの材料としたり、パフェに使ったり、ケーキに添えたりと、スイーツ作りにももってこい。なんてったって、クリームチーズや生クリームよりもカロリーが低いですから、安心して食べられます。
ギリシャ滞在中、フルーツソースを絡めたギリシャヨーグルトを添え、ケーキも楽しみました。
スイーツ系以外では、クラッカー、薄くスライスしたライ麦パンやバゲットなどにギリシャヨーグルトを塗り、生ハムやオリーブ、ピクルスなどをトッピングして、カナッペやオープンサンドにしても。また、適当な具材を混ぜてディップを作るのも簡単で、ワインのお供にもピッタリです。
ギリシャヨーグルトは、発酵食品で乳酸菌が豊富、タンパク質量が多いが、カロリーは低く、ヘルシーでおいしい、とくれば、人気が出ないわけがありません。
ぜひギリシャで食べてほしいところですが、現実にはなかなか難しいので、スーパーでお好みのものを探してみてください。ギリシャ直輸入のギリシャヨーグルトを扱うショップもあるようです。
ヘルシー志向のおいしいもの好きの間では、すっかり定着しつつあるギリシャヨーグルト。
ギリシャの地中海式食生活も注目されましたし、さて、次はギリシャの何が流行るでしょうか?
※2016年5月取材
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(取材・文/綿引まゆみ)
ワイン専門誌や料理系雑誌での記事執筆をはじめ、日本ソムリエ協会webサイトのコラムなどを執筆。ワインセミナー、トークショー、海外のワインコンクール審査員など、幅広い活動を行なっている。チーズプロフェッショナル、ビアソムリエ、コーヒー&ティーアドバイザーの資格も所有。スイーツ好き。
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