■張りのある座面と腰を支える背もたれはやっぱりイイ
いよいよチェアの真価とも言うべき座り心地をチェック。
▼コールマン「アルミデッキチェア(グレージュ)」
まずはコールマン「アルミデッキチェア」から。カタログ値は幅90cmですが、これはサイドテーブルを展開したときの幅。テーブルをたたむと約50cmとなります。スタンダードなサイズと言えるでしょう。特筆すべきはそのフレーム。曲線を描いていて、腕や腿などが触れてもさほど大きな違和感はありません。
生地はすべてポリエステルメッシュ。真夏でも蒸れにくいし、水遊びやサウナのあとも気にせずドッカリ座れます。メッシュ生地は伸びそうなイメージですが、このチェアは張りをキープしているのもうれしいですね。
▼ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」
ムラコの新作チェアは極限まで背もたれや座面を削いだヌーディーなデザイン。これが座り心地にどう影響されるのか気になるところでしたが、座面は極めてフラットで浅く座っても深く座ってもぐらつくことはありません。
ポリエステルの10cmの超幅広ウェビングを組み合わせた座面で、安定感あり。ほどよく通気性もありそうです。座面高は今主流のローテーブルにも対応できて、なおかつ立ち座りが楽で腰に負担がかかりにくい、ちょっと高めの40cm。
背もたれから続くウェビングの肘掛けは、肘を置くというよりも沿わせるというか体全体を包む感じ。肘をついて体を預けるのが好きな人は、物足りないかもしれません。ちなみに草地なのでわかりにくいのですが、地面と接する部分にはリング状の滑り止めがついていて、ウッドデッキやフローリングの上で使っても安心です。
背もたれのない「YK01 FOLDING STOOL」(2万9700円)もありますよ。
▼ラルファ「スリムローチェア」
名前のとおり、座面高を押さえたローチェア。今はローチェアが主流なので、グルキャンなどほかの人たちと集まって過ごすときもひとりだけ頭が飛び出ることがありません。足を放り出す姿勢なので背もたれも少し後傾気味。座面もそうですが背もたれもハリがあって身体をしっかり支えてくれます。リラックスするのにいい感じ。
窮屈な感じはなくゆったりしているし、肘掛けには竹集成材が貼られていて温かみを感じます。ローチェアは立ち上がるときにここに手をかけることが多いので、この配慮はありがたい!
また、ゲタ足に見えますが地面に接するフレームは中央がわずかに上がった四つ足。不整地でもガタつきにくいこともさすがです。
▼キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア(ブラック)」
最後はキャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア」。ブラックのアルミフレームにブラックの生地という、トレンドを押さえたデザインは、さすがキャプテンスタッグ。でも座ってみるとどうなんだよ…なんてイジワル気分で座ってみると、“これだよ、これ”と言いたくなる座り心地。幅広座面で大柄な人でも窮屈じゃないし、座面の張りも申し分なし。リラックス度満点です。
それに肌寒くなったら棚モックに置いた上着をさっと羽織ることができます。ディレクターチェアの背もたれに上着をかけようにも肩があわないし、軽いチェアはひっくり返っちゃう。上着をかけられるチェアって案外ないから、棚モックは大歓迎。スマホなどの小物を置くのにも丁度いい、座ってくつろぐのに実に便利な機能なんです。座面高が高くて楽に立ち上がれるのもいいですね。
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90年代の定番だったディレクターズチェアは一時、キャンプ場で姿を消しましたがここにきて復活の兆し。
ハンモックみたいな座り心地より張りのある座面が好きな人、姿勢を固定するのが性に合わない人は、進化した最新ディレクターズチェアを試す価値、あります。
<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡 撮影協力/コールマン、ムラコ、ラルファ、キャプテンスタッグ>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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