結局これがいい。折りたたみ傘の元祖「クニルプス」を再購入した個人的理由

■4つのお気に入りポイント

折りたたみ傘に求める条件は人それぞれだと思います。「小さい」「軽い」あたりは定番かと。

それらの点からいくと、購入したクニルプス「T.320」(8800円)は、明らかに大きくて重い。

閉じた状態で全長約31cm、直径約6cm。親骨の長さは58cmで重さは約490g。いまや同サイズでもスマホ並の150g程度の折りたたみ傘があるわけで、そう考えると超重量級です。

重さの理由は、素材と骨の太さ。メインの素材はスチールで、とにかく頑丈。

編集部の入っているビル周辺は、年中強いビル風が吹いていて、よくビニール傘がひっくり返っているところを見かけます。また最近はゲリラ豪雨で突風が吹くこともありますよね。だから、軽いけど折れやすいよりは、重いけど①折れにくい方が大事なんです。

重さについては、普段から約1kgあるPCやら充電系やらカメラやらを持ち歩いているので、少々増えても誤差です(笑)。

そしてこの「T.320」、開くと直径が約104cmあります。コンビニで売られている65cmビニール傘の直径がだいたい109cm程度と考えると、かなり大きめ。普段使っているカバンがバックパックなため、②重視するのは直径なんです。

▲傘はいつもサイドのメッシュポケットに。多少大きくても問題なし

ちなみにクニルプスのスタンダードモデルである「T.220」は直径約96cm。その差は約8cm。たかだが8cmと思うかもしれませんが、これが案外違うんですよ。

そして重宝するのが、クニルプスの中でも日本用の特別仕様である"セーフティー・システム”。

最近は多くの自動開閉式に装備されるようになった、シャフトを縮める時に途中でも止まる仕組みです。

▲どんな位置でも止まる

従来の自動開閉式は、シャフトを縮める際、最後まで縮めきらないと「びよん!」と元の長さに戻ってしまう機構になっていました。しかも縮めるためにはかなりの力が必要。これが難点だったのですが、③縮める途中で止めても大丈夫なのは、本当にラクです。

また生地の張りの良さもお気に入り。

手動で開く折りたたみ傘とは違い、自動開閉式はどうしても生地が緩みがち。人間の力とバネの力では比べるべくもないので仕方がないところではありますが、ゆるゆるの傘って見た目によろしくないし、なんだか雨が傘の上に溜まりそうなイメージ(あくまでイメージですよ)。

▲自動開閉式としてはかなり張りがいい

その点、クニルプスの傘は、④自動開閉式としては張りがしっかりしている。これも重視したいポイントでした。

ただし、いくつか改善してほしい部分も。

ひとつ目がファスナーが噛みやすい収納袋。

▲内側の生地が膨らんで噛んじゃう

高確率で内側の生地を噛むんですよね。できるだけ細い状態にしたいためにギリギリのサイズだろうことは分かるんですが、本当によく噛む。中の生地を押しながら閉めても噛むこともあるので、そんな時は途中まで閉めるようにしています。袋に関しては、内側に吸水速乾素材を使ったモノに変えるかも。

ふたつ目はストラップの太さ。

太い方だとは思うんですが、その昔愛用していたアメリカブランドの傘は、もっと太くて、巻くのが本当にラクでした。雑に巻いてもキレイにまとまるので、かなりのお気に入りポイントでした。こちらは変えようがないですね。

*  *  *

もうすぐ創業100年を迎える老舗ブランドであり、1928年に世界で初めて折りたたみ傘を発明したドイツブランド、クニルプス。

その後も自動開閉傘の開発など、世界を代表する傘メーカーでもあり、信頼性も折り紙付き。もちろん、今回紹介した「T.320」以外にも、小型軽量なモデルもラインナップしています。

正直、傘としてはかなり高額ではありますが、使い続けていると、それだけの価値はあると感じるブランドです。

>> Knirps

<取材・文/円道秀和(&GP)>

 

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