■ハンドルはヘレらしいカーリーバーチ
ヘレナイフでは樹脂ではなく木のハンドルを採用していて、もっとも多いのがカーリーバーチという白樺の一種。ククサなんかにも使われているアレです。
「デーラ」のハンドルもカーリーバーチで、手に馴染むよう計算された曲線を描いています。
「デーラ」もそうなんですが、ヘレナイフでは1年以上かけて低温でゆっくり乾燥させた木をアマニオイルに浸し、これが乾燥してから組み立て、ハンドルを整えているそう。
一本一本の乾燥具合が違うし、とにかく手間も時間も掛かります。
けれども、だからこそ似た模様のハンドルであっても表情がガラッと異なるのがヘレナイフのおもしろさ。もちろんそれを使いながら自分色に染めていくのも大きな楽しみと言えるでしょう。
ハンドルは太目ですが角がなく滑らかな。出刃包丁ほどでの厚みはありませんが魚を骨ごとぶつ切りにもできるわけで、そんな時にグッと力を込めても手が痛くなりません。
「デーラ」は千切りやみじん切りから魚のぶつ切り、かたまり肉の切り分けなど1本でいろんな切り方ができ、何本もの包丁を用意しなくても無理なく調理できます。決してコンパクトではありませんが、これがアウトドア向きと言われるゆえん。
無論切れ味は抜群によく、とにかくいろんなモノを切って料理したくなるわけで、ふと“いつかデーラさんみたいにジビエにも挑戦してもいいかも”という野心が頭をよぎる。そんな不思議な魅力がある包丁です。
>> ヘレナイフ(UPI)
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/アンプラージュインターナショナル >
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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