レーサーレプリカ全盛の頃に免許を取得した筆者。その頃は、バイクといえば“速いこと”が正義で、最高出力や足回りなどのスペックに一喜一憂していたので、たまに見かける重そうな水平対向2気筒エンジンを搭載したBMWに乗るライダーの気持ちがわかりませんでした。何なら「おじさんになると、何でみんなBMWに乗りたがるんだろう?」と疑問に思っていたくらい。ただ、自分がそのおじさん世代になると、だんだん魅力的に見えてきました。
ロングツーリングを趣味とする人なら、GSシリーズなどアドベンチャー系のマシンに惹かれるのでしょうが、個人的に魅力を感じるのは“ロードスター”に位置付けられる「R nineT」シリーズです。空冷の水平対向エンジンを搭載した、ちょっとレトロな雰囲気のネイキッドマシン。そのマシンが10年ぶりにフルモデルチェンジ。「R 12 nineT」に生まれ変わりました。
■新設計のフレームで生まれ変わったマシン
ぱっと見ると、外観は従来の「R nineT」と大きな違いは感じられません。左右に大きく張り出したシリンダーヘッドが目立つ水平対向の2気筒エンジンもそのまま。排気量は1169ccで、109PSという最高出力も変わりません。重量は222kgで、排気量があるとはいえ重量級のボディです。
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