【オトナの社会科見学】往年の名車が物語る、スバルのユニークなモノ作り精神とは?

さて、スバル1000で採用されたフラット4は、“EA型”と呼ばれる第1世代。

当時としては破格の、オールアルミ製ユニットです! 続く主力モデル「レオーネ」にも引き継がれ、ターボ化や、ヘッドメカニズムのOHVからOHC化、といった大きな変更を受けながら、約410万基が生産されました。

スバル EA型エンジン

第2世代の“EJ型”エンジンは、1989年に登場した「レガシィ」に初搭載されました。

2世代目レガシィから採用された“2ステージターボ”(ふたつのタービンの大きさを“大”“小”に分け、レスポンスを良くした)に感銘を受けた人も、多いのではないでしょうか。

スバル EJ型エンジン

WRC(世界ラリー選手権)をはじめ、スバルのラリー活動が華やかだった時代に開発されたエンジンですから、タフでスポーティ。これまでに760万基が生産され、主役の座を“FA型”“FB型”に譲った後も、同社きっての武闘派モデル「WRX STI」には、いまだにEJ20ユニットが使われています。

現在では、2010年に登場した“FA型”と“FB型”がスバルの4気筒ラインナップを担います。

スバル FA型/FB型エンジン

後者は“直噴+ターボ”仕様で、パフォーマンスと環境性能の両立を狙った、まさにイマドキのエンジンです。

一方のFAユニットは「BRZ」用に開発された自然吸気式のエンジン。共同開発したトヨタのエンジニアたちに、「水平対向エンジンの利点を知らしめるため、徹底的に低重心化した」といいます。

ベースとなったFBユニットと比較して、高さでマイナス65mm、搭載位置でマイナス60mmを果たしました。トヨタ「86」や、BRZのオーナーの方々は、ボンネットを開けてエンジンをチェックするたびに、あまりの搭載位置の低さゆえ、開発中に腰痛に悩まされたエンジニアの方々の苦労に想いを馳せてくださいな。

■歴史の“あだ花”と済ませるには惜しい「アルシオーネ」と「SVX」

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