■レトロデザインだけでなく音質も機能性もいいぞ
まずは外見から。1960~70年代のオーディオをモチーフにしたネオヴィンテージとも呼ぶべきデザインです。
ちなみにこのEdifier「D32」、据え置きタイプのスピーカーと思いきや、5200mAhのバッテリー内蔵で最大11時間連続再生が可能。外見からして室内向きですが、バッテリー内蔵のおかげでケーブル接続なく動かせるところが便利で、家の中のいろんな部屋にセットして“映える”写真を撮ってみたり。
と、外見はレトロなんですが、中身は音質・機能とも最新技術を搭載しています。
スピーカーは25mmのシルクドームツイーターと116mmミドルレンジドライバーの2ウェイ構成で、TI製のデジタルアンプによる合計60Wの駆動。“フルデジタルシグナルプロセッシング”で、デジタル部は96kHz/24bitのハイレゾ仕様。
音楽再生の方法も充実しています。スマホから音楽再生の定番であるBluetoothを利用できるのはもちろん、AndroidスマホならLDACコーデックにも対応。またLDACコーデックとは排他利用になりますが、マルチポイント接続対応というのも珍しいポイントです。
さらにAirPlayにも対応していて、こちらはロスレス再生仕様。Wi-Fiの設定はスマホアプリ“EDIFIER ConneX”から行います。iPhoneやMacユーザーならAirPlayで飛ばして音楽再生できるのは扱いやすくて良いですよね。
もちろんアナログAUXによる音声入力、珍しいところではUSB-CケーブルでPC/Macと直結して再生できるUSB-DAC機能と、今どきの考えられる音楽再生方法は網羅しています。
では、音質をチェックしていきます。
Apple Musicで配信中のエド・シーランのアルバム『X(10th Anniversary Edition)』より『Thinking Out Loud』を流してみると…スピーカーの見た目通り、余裕がある低音までリッチなサウンド。エド・シーランの歌声は、音の厚みと微細なディテールのバランスが良くて、目の前で歌っているかのような再現性。アコギとベースの控えめなプレイも質感豊かに表現してくれます。
次に宇多田ヒカル『BADモード』を。女性ボーカルも歌声の柔らかさと高域の伸びやかさを丁寧に再現しているし、シンセサイザーの音分離と低音の心地よさもポイントです。
スピーカーとして高音質というのはもちろん、部屋にゆったりとBGMで流しても馴染む上質なサウンドというバランスも好印象。ちなみに、スマホアプリ“EDIFIER ConneX”からEQも利用可能です。
最初はレトロデザインに惹かれてEdifier「D32」を試そうと思ったのですが、中身の作り込みも含めてかなりの優秀モデル。アウトドア用途には向かないけれど、他のBluetoothスピーカーと一線を画すような真面目でストレートなサウンドクオリィ、さらにBluetoothだけでなくAirPlayやPC/Macまで接続可能な機能性は完璧と言っていいほど。これで実勢価格は2万5580円。ワイヤレススピーカーとしてコスパ最強ですね。
>> Edifier
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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