【全国ソウルフード探訪】大分の郷土料理「りゅうきゅう」でお酒が止まらない!

スーパーの店員さんに聞いたところ、中身はアジの切り身とのこと。でも、「りゅうきゅう」なんて料理名は聞いたことがない。そこでどういう料理なのか教えてもらいました。

「あんたどこからきたん? “りゅうきゅう”っちいうのは、新鮮なアジの切り身を、醤油、みりん、お酒を混ぜたものに漬けて食べる料理なんで。知らんのかえ」

……ところどころ方言で何を言っているのか分かりませんが、どうやらアジの“漬け”みたいな料理らしい。なにそれ、おいしそう!

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昭和テイストな外観が味わい深い「郷土料理 こつこつ庵」。

 

というわけで、地元で有名という郷土料理のお店「こつこつ庵」に来てみました。さっそくメニューから「りゅうきゅう」を探すと、ありました。でも漢字で「琉球」になってますね。

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何の魚を使うかで値段が違いました。ここは「関あじ」一択で。

 

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たっぶりかかった薬味のネギとゴマが最高です。

実食したところ、少し甘みのある醤油に漬かったプリプリのアジ刺しが、ネギとゴマの風味に混ざって……うまい! これ、お酒に合うやつだ! 日本酒や焼酎がぐんぐんすすむキケンな旨さ。あ~もう酔っ払って仕事なんかどうでもよくなってきた。

とまあ、そんなわけにはいけないので、ここで店長に作り方を聞いてみました。だってこれ、自宅でも食べられたら最高じゃないですか。

「家庭でもできる作り方ですか。一般的には濃口しょうゆ、酒、みりん、きざみネギ、ゴマ、お好みで生姜などを合わせたタレをタッパなどに入れ、魚の切り身を漬け込みます。もともと保存食としての側面が強いため、そのまま冷蔵庫で置いておくのが一般的かと思います。当店のりゅうきゅうは、新鮮な魚をタレに浸して漬け込まずに提供するので少し珍しいかもしれません」(店主)

あれ? 意外と簡単。それもそのはず、「りゅうきゅう」は大分の家庭で親しまれる郷土料理とのこと。でもアジの切り身は置いてある地域も多くないので、ハマチなどで代用しても大丈夫らしいです。さらに、ご飯に熱いお湯をかけて「りゅうきゅう丼」として食べるのもメジャーで、これも食べてみたところ最高でした。タレを多めにかけて食べると、も~病みつきになります。

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ところで、なぜ「りゅうきゅう」という名前なのか由来を聞いてみました。

「実は本当のことは分かっていません。諸説としては、千利休がゴマが好きだったことから『りきゅう漬け』と呼ばれていたものが『りゅうきゅう』となったという説。また魚の切れ端を使うことが多いため、日本列島の端っこである『琉球』(現在の沖縄)という名がついた。などがあります」(店主)

ふむふむなるほど。琉球説の方はなんとなく分かるとしても、千利休説は意外でした。そんなウンチクを話しながら一献というのもオツなのではないでしょうか。そして自宅で作ってみるのもいいですが、大分を訪れた際はぜひ本場の味を体験してみてください。でも飲み過ぎ注意ですよ(笑)。

こつこつ庵 本店
アクセス/JR日豊本線 大分駅 徒歩10分
住所/大分県大分市府内町3-8-19
営業時間/11:30~22:30 (L.O.21:30)※14時30分~17時は準備中
定休日/日曜日(翌月曜が祝日の時は月曜日が休み※日曜は営業)

 


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(取材・文/&GP編集部)

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