トータルの最高出力はなんと1015馬力! ランボルギーニの新モデル「レヴエルト」の走行性能は「すごい!」のひと言

スーパーカー世代の心を騒がせ続けるのがランボルギーニ。2024年7月に、最新モデル「Revuelt(レヴエルト) 」のメディア向け試乗会が開催されたので、さっそく乗りました。走行性能は、すごい! のひと言です。

■12気筒エンジン搭載のプラグインハイブリット 過去と未来の橋渡し的存在

レヴエルトは、過去と未来の橋渡し的存在といいましょうか。12気筒エンジンを搭載しつつ、前輪はモーターで駆動のプラグインハイブリッドです。「あらゆる環境で最高に感動的」な運転が楽しめることを目指した、とは技術部門を取り仕切るロウフェン・モア氏の言葉です。

なにしろ、新開発の6.5リッターV型12気筒エンジンに駆動用バッテリーを組み合わせ、トータルの最高出力は1015馬力といわれています。シャシーや足まわりにはレースカーのような素材が使われるとともに、空力の向上と軽量化が追求されています。

同時にデザインにも凝っているではありませんか。ひとつは過去のモデルからイメージの援用。レヴエルトは、ランボルギーニ好きなら、いくつか、過去のモデルからの引用が見つかるかもしれません。

ランボルギーニ自身によれば、ひとつは、クンタッチ(カウンタック)から続くシザードア。さらに、ディアブロのプロポーション、ムルシエラゴの「筋肉質なたくましさ」などが、例に挙げられています。

デザインは機能を追求した結果でもある、と開発者は語っています。

先に触れたように、ダウンフォースを生み出すため全長を伸ばしたボディ。ノーズの下や、ドア背後など、各所には空気取り入れ孔が設けられ、それをあえて際立たせるデザインが眼をひきます。

一方、リアビューの未来的なデザインは、レヴエルトならではの独自性があり、かなり眼をひきます。キャビン背後には12気筒エンジンのヘッドカバーが見えているし、テールパイプへと続くバルジ(ふくらみ)の造型は、宇宙船のようではありませんか。

大径の排気口が4つ、高めの位置から突き出しているのも、迫力満点であります。ファストカー(速いクルマ)で大事なのは、先行車を抜き去るときにどう見えるか、というのはよく言われること。リアビューが魅力的なのは大事なのです。

「この時代(カーボンニュートラルをめざす時代)に、でかいテールパイプが目立つようなデザインでいいんだろうか、という迷いも、あるにはありました」と、デザイン統括のミチャ・ボルカート氏は言っています。でも、どうせやるならとことんやろう、という決断は正解だったのではないでしょうか。

■眼がくらむような加速感

操縦すると、期待どおり、眼がくらむような加速感。ハンドルスポークに設けられたドライブモードセレクターで、「チッタ(シティ)」はバッテリー駆動モード、その次の「ストラーダ(ストリート)」ではエンジン始動、さらにスポーティに走るための「スポルト」、その上に「コルサ(レース)」と切り替えていくと、キャラクターがどんどん変わってたいへん楽しい。

さらに今回のサーキット試乗では「使わないで」とクギをさされたESC(スタビリティコントロール)をオフにするサーキット用モードの設定もあります。ランボルギーニは常にサーキットでのパフォーマンスも念頭においているのです。

走らせていて感心するのは、パフォーマンスがひとつ上のステージへと移行するのに、ドライバーがそれとわかるような敷居みたいなものが設けられているように感じられることです。

たとえば、アクセルペダル。床まですっと踏めるのでなく、踏み込んでいくと重さを感じられるところがあります。そこから力を入れてさらに踏むと、もう一段強い加速感が味わえます。どんっと速度が上がります。私は「スターウォーズ」で宇宙船がハイパードライブのスイッチを入れた場面を思い出しました。

空力ボディや、今回専用で装着されたタイヤ「ポテンザ・スポーツ」など、すべてがうまくシンクロした結果でしょうが、富士スピードウェイで最終コーナーから立ち上がり、ホームストレッチで思いきり加速を試してみたところ、あっといまに速度計の針は時速300kmの手前まで。

先行車に追突するんじゃないかって私は怖くなり、そこでブレーキング。こちらも超がつくぐらい強力で、安心してスピードが楽しめます。クルマで速度を楽しむには、効きのよいブレーキがなにより重要なのです。

■デジタル技術をふんだんに採用したインテリア

インテリア装備も、レヴエルトは従来と一線を画しています。デジタル技術がふんだんに採用され、物理的なスイッチが減りました。モニター内で多くをコントロールできます。加えて、助手席用のモニタースクリーンも設けられました。ここで自分だけのコンテンツが楽しめます。

世の中にはスポーツカーとGTという2種類があります。レヴエルトは、どちらも上手の要素にも上手に目配りされている印象で、1台でさまざまな楽しみが味わえそうです。

【Specifications】
Lamborghini Revuelt
全長×全幅×全長:4947×2033×1160mm
ホイールベース:2779mm
車重:1772kg
エンジン:6498.5ccV型12気筒エンジン+プラグインハイブリッド
電気モーター:前2基
駆動:全輪駆動
変速機:8段ツインクラッチ変速機
トータル最高出力:746kW
最大トルク:725Nm
0−100kph加速:2.5秒
価格:6600万円

>> ランボルギーニ・カスタマーサービス

<文/小川フミオ、写真/ランボルギーニ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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