■メリットは大きくふたつ
やはり手軽に動かせることが大きなメリットです。
いちいちコードを抜いたり差したりしなくても、好きな場所に動かして使える。中でも、エアコンが効かないキッチンや洗面所ではめちゃめちゃありがたい。
パッと持っていけて、ジャマになったらすぐ動かせる。とくに夏のキッチンは暑くなるので、風があるだけで本当に助かります。
もちろん、ソファのそばに持っていったり、ダイニングテーブルの横に持っていったり、寝室に持っていったりするのもラクラク。
扇風機の電源コードって結構長めにはなっているので、これまでもちょいちょい動かして使っていましたが、おかげでよく足をコードに引っ掛けてました。あと掃除機かけるときにコードってジャマなんですよね。地味ではありますが、それらもメリットだと思います。
そしてもうひとつのメリットが小さく畳めること。
扇風機はシーズンが終わったらどこかに片付けないといけないわけですが、けっこう嵩張るわけで、場所の確保も大変です。その点、この扇風機はかなりコンパクトになります。
シーズンオフの置き場所に困らないのもメリットなんですが、他にも持ち運びやすいというメリットもありますよね。例えばキャンプや車中泊で持ち出す際もジャマになりづらい。消費電力も定格で24Wと少ないので、ポータブル電源と組み合わせればかなり長時間使えるはずです。
■いくつか残念なところも
メリットもあれば、当然ですが「ここもうちょっとなんとかならないか…」という部分もあります。
ひとつめはハンドルがないこと。
畳めることとのトレードオフかもしれませんが、扇風機によくあるハンドルがありません。羽根ガード部分の形状を見るかぎり、畳むことを考慮したカタチになっているため、引っ掛かりすらない。
なので、動かす際は掴むことになります。重さ約2.7kgと軽めではあるので、さほど問題ないのですが、握力の弱い人はちょっとストレスに感じるかもしれません。
そしてもうひとつが掃除しづらいこと。
これも畳めるがゆえだと思うのですが、ガードの前部分は簡単に外れないようネジ留めされています。
なので掃除する際はネジを外す必要があります。
さらに、外せるのは前部分のガードと羽根のみ。最近増えてきた、羽根まわりをすべて外せる掃除しやすいタイプと比べると、後ろ側のガードの隙間を掃除するのは少々手間かもしれません。
デメリットはどれも折り畳めるがゆえのことになります。この点をどう考えるかが購入するかしないかの分かれ目になる気がします。
■扇風機としてはどうなの?
肝心の扇風機としての機能性ですが、何も問題なし。
DCモーターだから静かだし、高さも3段階で変えられます。
直径は約29cmと、一般的な扇風機の約40cmよりは小さいですが、風の当たる範囲はさほど変わらない、というか気になりません。
また首振り機能(厳密に言うと首ではなく土台部分が回る)も付いているし、風量も12段階で変えられます。1だと微風で、12だとかなり強い風になりますよ。他にも、切タイマーと入タイマー(1~12時間、1時間ごと)も付いています。
さらに、段階的に風量を下げる「おやすみモード」と、本体の温度センサーに応じて風量を自動調節する「エコモード」が付いています。
この「おやすみモード」がかなり良く、寝るときに愛用しているんですが、スタートが風量2、3の場合、30分経つと風量を1下げて、最後は風量1で運転継続。スタートが風量4以上の場合、同じく30分おきに風量を1下げて、最後は風量3で運転継続してくれます。
ON/OFF、タイマー、風量調節、首振りON/OFFは本体のタッチ式ボタンでもできますが、リモコンではさらに本体液晶パネルの表示/非表示やボタン操作音のON/OFFもできます。
しかもこのリモコン、マグネットで前ガードの中央部分にくっつけられるんですよ。これはありがたい。扇風機のリモコンってなぜかよく行方不明になるんですよね。
さらに、付属の充電コード差込口の横には主電源ボタンも付いています。これはおそらく収納時の誤動作防止ではないかと。
そして気になる駆動時間ですが、説明書には以下のように書かれています。
風量1 首振りなし…約18時間
風量1 首振りあり…約7時間
風量12 首振りなし…約2時間
風量12 首振りあり…約1.5時間
ちなみに充電時間は約7時間です。
長いか短いかはなんとも言えませんが、寝るときに使いやすい風量1 首振りありで約7時間もつのであれば、まぁいいのかなと。それと、バッテリーが発熱し故障やけがの原因になることと、バッテリーの劣化が早まることから、充電しながらの使用は禁止とのことです。
* * *
実はこの「コンパクトに折り畳めてコードレス DCモーター扇風機」、原稿執筆時点(7月20日)ですでに2色とも完売になっていました。また来年発売されることを期待したいところです。
ちなみにコードレスのファンといってば思い浮かぶのが、キャンプ用の“小型ファン”です。2020年にクレイモアの商品が大ヒット。その後、多くのフォロー商品が生まれ、「キャンプだけじゃなく自宅で使ってもいいよね」とばかりに、今も数多くのアイテムが発売されています。
そしてもうひとつのコードレスファンが“ハンディファン”。アジアの国々で流行っていたものですが、近年のあまりの猛暑っぷりから日本でも定番化。今や街なかでもよく見かけるようになりました。
このコードレスの流れが、いまや"扇風機”にもやってきたということなのかもしれません。
海外メーカー製のコードレス扇風機はネット通販ではよく見かけますが、やはり危険性も伴うバッテリー系製品は安心できてサポートもしっかりしているメーカーから買いたいというのは当然です。
またニトリの場合は、現物を店舗で確認できるという点もヒットにつながったのかもしれません。
暑さはこれからが本番。今年はこのコードレス扇風機で暑さをしのごうと思っています。
>> ニトリ
<取材・文/円道秀和(&GP)>
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