■進化した「編集マジック」が楽しい
PixelにはGoogleの生成AIを用いた音声アシスタント「Gemini」が搭載されていて、電源ボタンの長押しで起動できます。Googleアシスタントに置き換わる機能とも言えますが、より高度なAIが用いられていて、便利に使うことができます。
例えば、お礼やお詫びのメールの文章を作成してもらったり、食材をカメラで撮って、それらで作れる料理のレシピを教えてもらったりすることも可能。GmailやGoogleドキュメントに保存されているメールやファイルなどを検索することもできます。「Gemini」は他のスマホでも使えますが、Pixel 9/9 Pro XLは、Geminiに最適化されたプロセッサ「Tensor G4」を搭載していることに優位性があると考えていいでしょう。
AIを用いた画像編集機能も進化しています。前モデルから搭載されていた「フォト」の「編集マジック」には「オートフレーム」という機能が追加。例えば、もう少し引いて背景も写したかったが、被写体に寄り過ぎたという写真でも、AIが背景を生成して拡張してくれるという機能。愛犬を撮った写真で試してみたところ、元の写真には写っていない尻尾が、実際と同じ色で生成されて驚かされました。
■お値段はそれなりだが、長く使うのならアリ!
バッテリー容量はPixel 9が4700mAhで、Pixel 9 Pro XLが5060mAh。それぞれ前モデルよりもわずかに増えていて、1日は余裕で持つという印象。ステレオスピーカーを内蔵し、音質も良好。特にPixel 9 Pro XLは、音量をかなり大きくできるので、音楽、映画、ゲームなどを楽しみたい人にはおすすめ。おサイフケータイに対応し、IP68の防水・防塵性能も備えています。
Pixel 9 Pro/Pro XLだけに搭載されている機能として「温度計」があります。前モデルから継承された、身の回りの表面温度を測定できる機能ですが、これは人によって必要の有無が分かれそうです。
前モデルのPixel 8の発売当時の価格は11万2900円〜、Pixel 8 Proは15万9900円〜だったので、Pixel 9は1万6000円、Pixel 9 Pro XLは1万8000円高くなっています。もちろん、価格以上の進化は認められますが、頻繁に買い替えるには躊躇する価格になってきました。幸いにも、Pixel 9シリーズは7年間のソフトウェアアップデートが保証されています。長期的に使う計画であれば、買って損はなさそうです。
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<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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