ネット動画時代はこれでいいかも。チューナーレステレビ「Xiaomi TV A Pro」レビュー

■リモコンのボタン配置にひと癖あり?

本体サイズは55インチで、チューナーレステレビとしてはやや大型サイズの部類。スリムベゼルにループ型のスタンド搭載で、見た目にチープさはありません。

▲Googleアカウントにログインしてセットアップ

セットアップは、Wi-Fiに接続してGoogleアカウントにログインする流れ。画面からQRコードを読み取り、Googleのスマート家電などをコントロールするアプリ「Home」を利用すればパスワード入力等をスキップできます。

▲“おすすめ”がメインに来るGoogleTVの画面

起動後の画面は、プレーンな“GoogleTV”。ホーム画面のメインにあたる“おすすめ”には各社ネット動画の作品が並ぶ他、アプリショートカットも表示。

アプリはGoogle Playでインストール可能。リモコンからNetflix、PrimeVideo、YouTube、Apps(アプリ画面へのショーットカット)はダイレクトに起動できるところもポイントを押さえておきます。

▲アプリのダイレクトボタンを搭載するリモコン

電源を入れると常にホーム画面が表示され、Netflix、PrimeVideo、YouTube、TVerなどによる動画視聴もスムーズに使える点は、さすがネット動画専用のチューナーレステレビです。

▲ネット動画の定番Netflixの画面。DolbyVisionにも対応しています

▲スマホのイメージが強いYouTube動画だが、テレビの大画面で見るのもアリ

▲チューナーレステレビでもTVerを使えば地デジ発の番組も視聴できる

レスポンスは少し遅いかなという程度。実際の起動レスポンスを測定してみると、スタンバイ復帰が6秒、YouTubeアプリの初回起動は5秒、Netflixアプリは24秒、PrimeVideoは10秒、TVerは9秒で、多少は待ち時間はあります。

公式スペックではCPUにMediaTek A55のクアッドコア、RAMは2GB。メモリ容量2GBはあまりハイスペックとは言えないので、これが原因ですね。

ただ、「Xiomi A Pro 55」を使っていて気になったのはレスポンスよりもリモコンで押し間違えを頻発したこと。

パッと見ると今どきのネット動画用リモコンなのですが…ホイール型のカーソルボタンの下にある操作ボタン配置に注目。

▲ホイール下の真ん中に“戻る”がある付属リモコンのボタン配置

左が“設定”、中央に“戻る”、右が“ホーム”ボタンで、感覚的な操作に合わないんですよね。“戻る”は左にある方が良いような…。これはじきに慣れるかもれませんが、操作していてボタンの押し間違えを連発してしまいました。

一方、チューナーレステレビとして便利なのが、リモコンからGoogle謹製の音声検索を使えるところ。一番の使い道は文字入力で、ネット動画をキーワード検索したい時に便利ですね。

▲文字入力と音声検索はGoogleアシスタントでラクラク

もうひとつの使いこなしのコツは、スマホ連携。YouTube、Netflixなどネット動画アプリは、同じWi-Fi内でスマホでアプリを起動すると「スマホで作品を選んでチューナーレステレビで表示」という使い方ができるので、スマホの続きを大画面で見るような用途でも便利。

▲ネット動画はスマホアプリから連携操作もアリ

画質については、約7万円で購入できるチューナレステレビとしては必要十分。&GPのYouTubeチャンネルを観てみると、画面の明るさと派手めの色でバランスを取っているようです。ただ、VAパネルで視野角と映り込みの影響は若干あります。

▲チューナーレステレビとしては明るく鮮やかな画質

▲斜めから見るとやや色は白くなり気味

▲NetflixではDolby Visionの映像フォーマットに対応

内蔵スピーカーは、スペック上は12Wx2で人の声のクリアさや低音もほどほど。Dolby AudioとDTS-Xデュアルデコーディングテクノロジーによって臨場感アップも可能です。

▲内蔵スピーカーは画面下だが、実用になるレベルの音質で大きな不満はなし

使い込んでみると、ハイスペックではないけど画質・音質も実用レベルをクリア。YouTubeやNetflixなどのネット動画を大画面で見る分には「これで良いかな」と思えるコスパの良さを感じます。

個人的にはリモコンのボタン配置が気になったところですが、使っているうちに慣れるはず。予算をかけずに、大画面のチューナーレステレビをお手頃に選びたい人にとって定番モデルになりそうですね。

>> Xiaomi

<取材・文/折原一也 撮影協力/Xiaomi>

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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