■トリプルカメラをフレキシブルに使えるのも魅力
外側カメラは広角(48メガピクセル/F値1.7)+超広角(10.5メガピクセル/F値2.2)+望遠(10.5メガピクセル/F値3.1)という構成。
超広角カメラはマクロ撮影に対応。望遠カメラは光学3倍で、画質劣化が補正される超解像ズームは最大20倍まで撮影できます。ハイエンドモデルとして十分な性能を備えていますが、超広角や望遠にも48メガピクセルの高画素カメラを採用するPixel 9 Pro/9 Pro XLには劣ります。と言っても、実際には、下に掲載した作例のように、明るく鮮やかな色で写るので、普段使いで不満を感じることはないでしょう。
折りたたみ式の構造を生かして、外側カメラでセルフィーを撮ることも可能。また、撮影時に2つのディスプレイを使って、被写体となる人が外側ディスプレイで写り具合を確認することもできます。外側ディスプレイにアニメを表示して、被写体の目を引く「こっちを見て」という新機能も追加されています。
なお、試用中には撮影する機会がなかったのですが、Pixel 9シリーズの他の機種と同じように「一緒に写る」機能も搭載されています。複数人でグループ写真を撮る場合に、まず撮影者以外を撮影して、次に撮影者を交代して撮影すると、全員が写った写真が合成される仕組み。ですが、Pixel 9 Pro Foldは外側カメラでもグループセルフィーが撮りやすく、タイマーの設定できるので、「一緒に写る」を活用する機会はそんなにないかもしれません。
■グーグル激推しのAI機能も大画面で満喫できる
Pixel 9シリーズに共通するAIの機能も、もれなく使えます。グーグルの生成AI「Gemini」がプリインストールされていて、電源ボタンの長押しで起動可能。話しかけたり、テキストを入力したりして、知りたいことを調べられます。冷蔵庫にある食材を撮影して、それらで作れるレシピを調べたり、外出先で見た気になる物を買える場所を調べたりもできますよ。
AIを用いた画像編集も楽しめます。Pixel 9シリーズから対応した「編集マジック」の「オートフレーム」は、Pixel 9 Pro Foldでは大画面で編集しやすいことが利点。編集したい範囲を指定して、背景を変えたり、物体を追加したりできる「イマジネーション」も画面が大きい分だけ、楽しさが増すように感じました。
■大画面と操作性の両方を求める人への最適解
筆者がPixel 9 Pro Foldを使い始めて5日目。まだ、十分に使いこなしているとは言えませんが、ひと通りの機能を試してみて、前モデルから使い勝手が大きく向上したように感じています。
なんと言っても閉じた状態での操作性が快適。前モデルのPixel Foldは折りたたんでも両手での操作が強いられましたが、Pixel 9 Pro Foldはほとんどの操作は片手でこなせます。前モデルが「タブレットを畳んで持ち歩ける」という印象だったのが、新モデルは「スマホを開くと大画面になる」という印象。しょっちゅうパカパカと開くのではなく、本当に大画面が必要なときにだけ開くようになりました。初めて折りたたみ式スマホを使う人でも、違和感なく使い始められること請け合いです。
前モデルから継承する利点として、スピーカーの音質も上げられます。スマホの内蔵スピーカーとしては上々の音質で、しかもかなりボリュームを大きくできます。大画面でYouTubeやサブスクの映画を観たりする際に、フツーのスマホよりも没入感が得られるように感じています。バッテリーも1日は余裕で持ちそうです。
スマホで動画を見たり、ゲームをしたりするので大画面が理想。だけど、大画面スマホは横幅が太くて操作しづらい…。Pixel 9 Pro Foldは、そんなジレンマに陥っていた人には格好の選択肢になるでしょう。
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<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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