■フル活用するならLTEモデルがおすすめ
従来モデルから引き続き、NFC(FeliCa)を搭載し「Googleウォレット」を使えます。Suicaやクレジットカードを登録して、スマホを取り出さずに改札を通ったり、コンビニで支払ったりすることが可能。また、LTEモデルを選ぶと、各社のモバイルサービスに加入すると、ペアリングしてスマホを持っていなくても、スマホの電話番号で発着信でき、データ通信も利用できます。
筆者はドコモの「ワンナンバーサービス」に加入して使ってみました。
以前、Pixel Watch 2に使っていたものをPixel Watch 3に切り替えたのですが、Pixel Watch 2での解除操作は不要で、あっという間に切り替えられました。なお、新規で申し込む場合も「Google Pixel Watch」アプリの「モバイルネットワーク」に進むと、画面に案内が表示されるので簡単です。
筆者はランニングやウォーキングの際に、スマホは家に置いて、手ぶらに出かけています。Pixel Watch 3とペアリングしたイヤホンから「YouTube Music」の音楽を聴きながら走り、途中でコンビニに寄ってミネラルウォーターを買うこともできます。ただし、SMSの送信に失敗したり、Gmailが届いても通知されず、手動でチェックしたりといった手間があったりもしました。筆者自身まだ十分に使いこなしているのは言えず、それらの原因は不明。筆者の設定に問題があるのかもしれませんし、そもそも使えるアプリや通信に制約があるのかもしれません。しかし、電話ができ、「マップ」も利用でき、決済サービスも使えるので、LTEモデルを選ぶ価値は十分にあると感じています。
■Googleサービスとの連携も強化
Googleアプリとの連携も強化されています。自宅のテレビをスマートTVにできる「Google TV Streamer」を使っている人は、Pixel Watch 3をリモコンとして利用可能。玄関に設置して来客を確認できる「Google Nest Doorbell」「Google Nest Cam」を使っている場合は、Pixel Watch 3の画面で来客を確認して、応答することもできます。
Pixel Watch 3には新たに「レコーダー」アプリも搭載。外出先で音声メモを取るのに役立ち、バックアップを設定していてば、Pixelスマートフォンの「レコーダー」に自動で同期されます。Pixelの「レコーダー」アプリは文字の書き起こしに対応しています。同期した録音データの文字起こしを試してみたところ、まだ、対応しているとは言えない水準でした。今後の改善を期待したいところです。
■余裕で1日持つ電池持ちを実現
グーグルがPixel Watch 3の特徴としてアピールしていることが、もうひとつあります。それは電池持ち。前モデルのPixel Watch 2のスペックシートには「常に表示状態のディスプレイで最大24時間」と書かれていましたが、Pixel Watch 3は「常に表示状態のディスプレイで最長24時間」「バッテリーセーバーモードで最長36時間」となっています。筆者は「通常時の電池持ちは同等だが、バッテリーセーバーによって長く持たせることができるようになった」と理解していたのですが、実際に使ってみると、通常時の電池持ちも長くなったように感じています。
バッテリーセーバーモードは手動でオン・オフができますが、残量15%になると自動にオンになるように初期設定されています。筆者は、その設定のままで使っています。GPSをオンにする運動を1時間ほど行い、就寝時にも装着していますが、余裕で1日持ちます。24時間経過しても30%残っていたり、30時間経過しても、なお10%残っていたりする日もあります。使い方によっては2日近く持ちそうな印象で、概ねスマホと同じサイクルで充電すればよさそうです。
■完成度を高めた3世代モデル。そろそろ買い時かも!?
Google Pixel Watch 3は、現在求められる機能をもれなく備えたスマートウォッチという印象。従来モデルよりも電池持ちがよくなり、大画面モデルも追加されたので、Androidスマホユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
Apple Watchと比べると、心電図アプリが搭載されていないという差分はありますが、それを必要とする人は限定的でしょう。逆に、Pixel Watch 3には「朝のブリーフィング」という機能があったり、毎日健康的に過ごすための細かい演出が施されています。初代モデルや前モデルのPixel Watch 2の購入を見送った人にも、そろそろ “買い時” が来たと言えそうですよ。
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<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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