2万円台で強力ノイキャン! BOSE「QuietComfort Earbuds」(2024)レビュー

▲大型ながら単体でワイヤレス充電可能となった付属ケース

イヤホン単体で最大8.5時間の連続再生が可能。充電ケースを使えば2.5回分フルチャージで31.5時間再生と、持ち出し時間としても十分。充電ケースはワイヤレス充電に対応しました。

▲見た目も一新されたアプリ。イヤホンがカメラリモコンになる“Remote Selfie”という機能もある

新モデルでは対応アプリも“QCE app”へと一新。新たに5バンドのEQで音質を自分好みに調整できるほか、低遅延などの設定も可能。ちなみに新機能に“Voice Control”という音声コントロール機能もありますが、現時点では日本語には未対応。英語でも試してみたけど…うまく働きませんでした。

▲ノイズキャンセルと外音取り込みの設定

▲音質はEQからカスタマイズ可能。設定可能な項目も5バンドに

Bluetoothの2台同時接続、マルチポイントにも対応しています。

このように多機能ではありますが、やはりBOSE「QuietComfort Earbuds」の性能で気になるのがノイズキャンセル性能。まずは屋内で装着してみると、最初に感じたのが屋内のちょっとした騒音なら完全に無音になるノイキャン性能の強さ。隣の部屋で流れる音楽なども強力に低減してくれて、気にならないレベルに。技術的には最上位の「QuietComfort Ultra Earbuds」にあった耳の中を測定するCustomTuneは非搭載になりましたが、それでもこのBOSE「QuietComfort Earbuds」のノイズキャンセル強度は業界トップクラス。

▲持ち出して電車内でもテスト

電車内や町中など屋外でもノイズキャンセルは極めて優秀。クルマや電車の走行音など重低音側はほぼ無音と言って良いほどで、クルマのタイヤによる高域の音や、人の声が若干残る程度。しかし、“Ultra Earbuds”にあったノイズキャンセル/外音取込の強度調整はないので、必要に応じて外音取り込みを使っていきたいところです。

そしてBOSE「QuietComfort Earbuds」の音質もチェック。

宇多田ヒカル『BADモード』を聴いてみると、豊かに響く低音のベースラインと共に、やや力強くビビッドに響く歌声の表現が印象的。BOSEのサウンドらしくリスニング的な心地良さを重視していて、音に囲まれるような臨場感もしっかり出ています。

なお、上位機種にあったaptX Adaptiveコーデック対応による高音質化と空間オーディオ機能“BOSE Immersive Audio”は省かれています。

最後にマルチポイント接続を活かしてBOSE「QuietComfort Earbuds」とMacBook Airをペアリング。ビデオ会議で通話マイク性能をテストします。

結果は…正直言って明瞭さが足りずマイク音質は良くない上に、周囲の音も拾い気味。実用に耐えないということはないですが、通話メインの人にはオススメしません。

▲通話マイクの音質は今ひとつでした

*  *  *

BOSE「QuietComfort Earbuds」を使っってみて感じたのは、得意なところとそれ以外のメリハリがはっきりしていること。

税込み2万6400円という価格に対してのノイキャン性能の強力さは圧倒的。同価格帯ではまずライバルがないレベルどころか、3万円台の完全ワイヤレスイヤホンでもこれに匹敵するモデルがあるかどうか。一方、カスタマイズ機能は最上位機種に譲りますが、別になくても困らない人も多いですよね。

「完全ワイヤレスイヤホンに求めるのは快適な音楽リスニングを助けるノイキャン」という人には、新型「QuietComfort Earbuds」はコスパ最高の選択肢としてオススメですね。

>> Bose

<取材・文/折原一也 撮影協力/Bose>

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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