コンパクトでも室内広々!新しいフォルクスワーゲン「T-Cross」の魅力は加速の優れた999cc新型3気筒エンジンにあり

■新しいクロスTクロスの魅力とは

▲1リッターながら走りは期待以上に力強い(写真は「スタイル」)

▲スポーティな内外装を特徴とする「R-line」

実はもうひとつ、上記のリストには入っていない、新しいTクロスの魅力があります。

クルマでもっとも大事な動力性能です。999cc3気筒エンジンは、新しいタイプになり、よどみない駆動トルクによるスムーズな加速性がすばらしい気分をもたらしてくれます。1リッターしかないのに、こんなに速いの?と驚くこと請け合いです。

同時に、ハンドルを切ったときの動きが素直なのも、気持ちよいドライブ体験になるでしょう。スポーツカーのようなクイックさはありませんが、けっして鈍ではなく、ドライブしている私の意思に忠実に車体が動きます。

乗り心地も良く、ショックはほとんど伝わってこない一方、高速走行時などは、車体の不快な揺れはなく、こちらも快適。騒音も意外なほど低くて、これなら遠出もまったく苦ではない、と感じられました。

外観では、ヘッドランプとグリルとエアダムの形状が変更。リアコンビネーションランプもX字のパターンに。とりわけ、左右一直線のLEDのシグネチャーランプが採用され、ライト点灯時にこれが光って個性を強調してくれます。

▲デザインが一部変更されたリアにも横一文字のLEDシグネチャーランプが設けられた

大型10.25インチのデジタルメータークラスターがオプションで選べます。計器版に大きくナビゲーションの地図表示が可能だし、自分のスマートデバイスを使うときのために、ミラーリング機能もそなわります

「技術の民主化」とは、VWが唱えるクルマづくりのポリシーです。ずっと上の価格帯に位置する競合車と同様の性能を提供するのが、VWの使命だとか。ゴルフGTIが例にあげられています。たしかに、1975年に初代がデビューしたとき、アウトバーンでメルセデス・ベンツやポルシェと太刀打ちできることが、大きく喧伝されていました。

Tクロスでも、VWは、そして日本法人のフォルクスワーゲングループジャパンは、上記のポリシーを大事にする、としています。Tクロスが329万9000円から買えるのはすばらしいことと、試乗のあと私は思いました。これも日本法人のがんばりといいます。コンパクトなクルマを探しているひとは、いちど乗ってみるといいでしょう。

【Specifications】
Volkswagen T-Cross Style
全長×全幅×全高:4140×1760×1580mm
ホイールベース:2550mm
エンジン:999cc 3気筒
駆動形式:前輪駆動
最高出力:85kW@5500rpm
最大トルク:200Nm@2000〜3500rpm
7段デュアルクラッチ変速機
燃費:17.0km@l(WLTC)
価格:359万9000円

>> フォルクスワーゲングループジャパン T-Cross

<文/小川フミオ、写真/フォルクスワーゲン グループジャパン>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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