AirPods Proユーザーが「AirPods 4」のノイズキャンセリング機能を試して感じたこと

■ノイズコントロール機能はAirPods Pro 2と同等

注目のANC機能は、ただ雑音を除去するだけでなく、多彩な機能を備えています。

ノイズコントロールは「オフ」「外部音取り込み」「適応型」「ノイズキャンセリング」の4つのモードに切り替え可能。このうち「外部音取り込み」は、周囲の音を聴こえやすくするモード。イヤホンのマイクから音が取り込まれて、誰かに話しかけられたら、すぐに返答しなければならない状況や、周囲の音に注意しなければならないランニングやウォーキング時にも適しています。

▲ノイズコントロールは4モードから選択可能。iPhoneのコントロールセンターの音量調整を長押しして設定可能

▲「設定」→「Bluetooth」で接続しているAirPodsを選択すると、設定画面に進む。イヤホンのコントロールを設定でき、長押ししてノイズコントロールを変更できるように設定可能。初期設定では左右どちらも「外部音取り込み」と「ノイズキャンセリング」を切り替えられる設定になっている

「ノイズキャンセリング」は、マイクが感知した雑音を除去して、メディアの音声だけが明瞭に聴こえるようにするモード。最も音楽に集中でき、没入感を味わえるモードです。

「適応型」は、「外部音取り込み」と「ノイズキャンセリング」を組み合わせたモード。周囲の雑音状況に変化に合わせて、イヤホンから聴こえる雑音のレベルが自動で調節されます。なお、聴こえるノイズの量を調整することもできます。

▲「適応型」の聴こえ方はカスタマイズ可能

▲臨場感あるサウンドを楽しめる「空間オーディオ」にも対応

「会話感知」も設定できます。これは、ユーザーが会話を始めたことを感知すると、イヤホンから聴こえる音量が下がり、目の前にいる人の声が聴こえやすくなる機能です。筆者は、愛犬を散歩する時にこれをオンにしています。近所の人から声をかけられたときに、いちいち音量を下げたり一時停止にしたりせずに済むので重宝しています。

▲「会話感知」は、コントロールセンターからAirPodsの画面を表示させて、ワンタッチでオンにできる

AirPods 4 ANCのノイズコントロール機能は、AirPods Pro 2とほぼ共通しています。アップルはAirPods Pro 2のANCの精度は「最大2倍」としています。ノイズ除去率はAirPods Pro 2のほうが高く、外部音取り込みモードで聴きているときに、大きな音を低減してくれる機能があったりもしますが、機能としては “ほぼ同じ” と言って差し支えないでしょう。

▲左がAirPods 4 ANC、右がAirPods Pro 2の設定画面。機能の違いは、AirPods Pro 2には「大きな音の低減」があるくらいだ

ただし、AirPods Pro 2には、まもなく(2024年秋)「ヒアリングチェック」と「ヒアリング補助機能」が追加されることが予告されます。自分の聴力をチェックでき、難聴の兆候がある場合に、音が聴こえやすいように最適化される機能です。補聴器とは呼べないものの、「最近少し聴こえづらい」などと感じている人に役立つ機能になる可能性があります。これはAirPods 4 ANCでは利用できないので注意が必要です。

 

■ANCオンでも最大4時間聴き続けられる

AirPods 4 ANCは、ANCをオンにした場合は最大4時間、オフにした場合は最大5時間の再生が可能。ちなみに、ANCなしのAirPods 4の連続再生時間も最大5時間です。AirPods Pro 2は最大6時間なので、電池持ちはProに優位性があります。

充電ケースを使用すると、ANCをオンにした場合で最大20時間、オフにした場合は最大30時間再生できます。AirPods Pro 2は、充電ケース使用で最大30時間なので、ほぼ互角。いずれにしろ、余裕で1日使い続けられそうです。

▲充電ケースからイヤホンを取り出そうとすると、iPhoneに接続されて、バッテリー残量が表示される。こうしたユーザーインターフェイスもAirPods、AirPods Pro共通だ

 

■開放型とは思えないほどノイズキャンセリングは優秀

AirPods 4(ANCあり・なしどちらも)には、AirPods Pro 2と同じ「H2」チップが搭載されています。インナーイヤー型とカナル型という違いはありますが、オーディオの基本設計は共通しているようです。

気になる音質は、実際にアップルストアで確かめさせてもらったり、オーディオに詳しい人のレビューをチェックしたりすることをおすすめしますが、筆者なりの感想も述べさせてください。

普段AirPods Pro 2で音楽を聴いている筆者が、AirPods 4 ANCに付け替えてみたところ、音質にはほとんど差がないように思えました。もちろん、AirPods 4 ANCは耳を完全に塞がないので、周囲の音の遮蔽性は若干劣ります。ですが、ノイズキャンセリングの性能の高さには驚きました。これまでに開放型イヤホンのANCを試したことがありますが、AirPods 4 ANCはインナーイヤー型とは思えないほど。自宅のエアコンの音も、電車に乗っているときのガタゴト音も、すーっと溶けるように滑らかに消えます。外部音取り込みモードで周囲の音がミックスされる感じや、適応型モードでの人の声が明瞭に聴こえる感じも、AirPods Pro 2と同じでした。

現在AirPodsを使っていて、使い勝手をアップデートしたい人はもちろん、AirPods Proを使っていて、耳への圧迫感が気になる人も、AirPods 4 ANCへの乗り換えを検討する価値は十分にあるでしょう。

▲AirPods 4 ANCは2万9800円。AirPods Pro 2(3万9800円)よりも1万円も安いのも魅力だ

>> Apple「AirPods 4」

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

 

【関連記事】

◆開放型+ノイキャンの「AirPods 4」は低音と空間オーディオが強烈!これは面白い!
◆「iPhone 16」から「AirPods 4」まで秋のApple新製品のポイントを一挙おさらい
◆没入感を取るか、“ながら聴き”を取るか? ソニーの新作ワイヤレスイヤホンは作りもデザインも流石の一言

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする