運良くこの「紅茶セミナー」に参加できた40数名の “紅茶ファン”を迎えてくれたのは、ウェルカムドリンクの「ティーパンチ」。最近流行りのワインをベースにしたサングリアやミントを効かせたモヒートなど、パーティシーンにはさまざまなウェルカムドリンクがありますが、実は紅茶で作ったものが最高とされています。
パンチは「パンチェス」というサンスクリット語が語源で、5種類のフルーツ入りという意味。その名の通り旬のフルーツをたっぷり入れて作ります。ここで、午後の紅茶ストレートティーを使ったティーパンチの作り方を教えてもらいました!
【ティーパンチ】材料(作りやすい分量)
・キリン午後の紅茶ストレートティー 1.5L
・好みのフルーツ(オレンジ、レモン、リンゴ、イチゴ、ブドウ等) 5種類以上
・水 300ml
・炭酸水(無糖) 200ml
・シロップ 少々
・お好みで赤ワイン 100ml
作り方は簡単! ガラスのボウルに食べやすくカットしたフルーツを入れ、午後の紅茶ストレートティーを注ぎます。この時、バナナ、モモなど果肉の柔らかいフルーツは避けること。果肉が崩れてせっかくの紅茶が濁ってしまいます。そこに水、シロップを加えて混ぜ、最後に炭酸水を注ぎ入れます。大人向けには赤ワインを加えると甘い香りがプラスされてオススメ。
さて、本日の講師は、午後の紅茶のアドバイザーを10年来務める紅茶研究家・磯淵猛先生。噺家も顔負けな軽快なトークでお客さんをイジりつつも、英国での紅茶事情やリーフの種類、楽しみ方など、知識の泉からこんこんと湧いてくるようなお話は、紅茶愛あふれる濃ゆ~い内容。こんな紅茶博士がアドバイザーを務めるとは、さすが30年も続く午後の紅茶!
そして磯淵先生によるミルクティーが振る舞われました。イギリスで一般的なのはミルクティーで、「Tea with milk(ティー・ウィズ・ミルク)」と呼ばれています。この日使用した茶葉は、午後の紅茶ストレートティーにも100%使用されている「ティンブラ」。味・香り・色の三拍子が揃った茶葉で、ドライフラワーのバラのような良い香りをはらみ、ルビー色に美しく発色します。
発酵食品である紅茶は95℃ほどで乾燥させるため、焦げ味もなく豊かな風味を保っています。その軽やかな風味を英国式で楽しむために大切なポイントを3つお教えしましょう!
1)1人分の茶葉はティースプーンに軽く1杯
イギリスの水は硬水。硬水だと渋みが飛んで黒々とした色に仕上がります。一方、日本の水は軟水なので、発色は薄く、味と香りはよく出ます。つまり、たくさん茶葉を入れると逆に苦くなってしまうのです。ポットには人数分プラス1杯入れましょう
2)1人分のお湯は、95℃で350ml
紅茶を美味しく淹れるためにはお湯の中の「酸素の量」が大切。沸かしたてで酸素をたっぷり含んだお湯を注げば、酸素が茶葉に付着してジャンピング(ポット内で茶葉が上下すること)させ、美味しい紅茶が入るのです。汲み置き水は使わず、人数に関わらずお湯をたっぷり沸かしましょう
3)高温殺菌ではなく低温殺菌牛乳を!
低温殺菌牛乳をカップにたっぷり入れて、そこに熱い紅茶を注ぐのが英国式!サンドイッチやクリームたっぷりのスコーン、チェダーチーズなどと一緒に食べる英国式ミルクティーは、食べ物の脂分を流してくれるサラッとした後味が特徴。そのためには牛乳本来の良い香りを残す低温殺菌牛乳がマストなのです。