さて、この後はお待ちかねの工場見学! キリンから発売されているほとんどのペットボトル製品を作っているというキリンビバレッジ湘南工場。ちょうど出荷の時間帯だったことから、全国のナンバーを付けたトラックが列をなして商品を搬出していました。
午後の紅茶の生みの親である、CSV本部ブランド戦略部部長の江部るみ子さんによると、商品化にあたり苦労したのはきれいな色味を保つこと。紅茶はアイスティーにする時「クリームダウン」という現象が起こりやすく、濁ってしまうのだとか。おいしく美しいアイスティーのために試行錯誤を重ねて編み出したキリン独自の「クリアアイスティー製法」で、午後の紅茶は作られています。
工場の奥では、巨大なティーポットのような容器を使って茶葉をジャンピングさせるように工夫し、濁らないように作っています。ハイテク化されていても、紅茶を美味しく淹れるために伝統的な作業工程は守っているのですね。
まるで川の流れのような大量のペットボトルは壮観! 1日に約250万本のペットボトルを生産しています。
すごい勢いでラベルが貼り付けられ、ダンボールへの箱詰めも同じラインで完了します。いつまでも眺めていられそう…!
さてこの物体、何だと思いますか?
答えはペットボトルの素材。こんなに小さいプラスチックを加工して、あの500mlペットボトルにしているのです。
キリン湘南工場では、この一連の工程を見学できる1時間ほどの「午後の紅茶ツアー」を開催しており、なんと無料で参加できます。しかも、うれしいおみやげ付き!
子供の頃、「無料の自動販売機があればいいな」と夢見た方も多いのでは? このツアーの最後には、無料の自動販売機から選んで好きな商品を1点おみやげにもらえます!
ほかにも、記念撮影した写真をラベルに印刷したオリジナルボトルも記念品としてプレゼントしてくれるので、家族連れやカップルに大好評だそう。
工場の植え込みに咲いていた白い可憐な花は、珍しい紅茶の花でした。
毎年数多くの商品が開発されては姿を消す“激戦区”のペットボトル飲料業界。その中で30年もの長い時間、人気商品でありつづける午後の紅茶には、並々ならぬ熱意とこだわりが注がれてきたことが分かる「紅茶セミナー」でした。
キリンビバレッジ湘南工場「午後の紅茶ツアー」>>
http://www.kirin.co.jp/entertainment/factory/shonan/tour/gogo.html
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(取材・文/明知真理子)
あけちまりこ/ライター
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。雑誌・ウェブ等で幅広く活躍し、寝る間もないほど売れっ子(になりたいと思っている)。趣味で株式投資をしており、日経平均が下がると表情がやや曇ります。映画と旅行とプロレスが好き。