このところ、バイクの世界で大きなトレンドとなっているのが自動変速機構です。ホンダの「DCT」でメジャーな存在となった機構ですが、そのホンダが今年になって「Eクラッチ」というクラッチ操作を自動化するシステムを製品化。ヤマハも「Y-AMT」という自動変速機構をリリースしています。
そして9月にはBMWがアドベンチャーマシンの王者である「R 1300 GS Adventure」をリニューアル。「オートメイテッド・シフト・アシスタント(ASA)」という自動変速機構を搭載したモデルが選べるようになりました。その実車を見ることができたので、他社の機構との違いも含めてリポートします。
■アドベンチャーマシンの王者らしい仕上がり
「R 1300 GS Adventure」は、先だって発売された「R 1300 GS」の兄弟モデルという位置付け。ただ、今回のモデルから両者のさらなる差別化が図られていて、バリエーションモデルというよりは完全に別モデルという扱いになっています。最も大きな違いは30Lという大容量のタンクです。航続距離は路面状況などにも寄りますが500kmを超えると思われ、大陸を横断するようなアドベンチャーツーリングにふさわしいマシンです。
搭載されるエンジンは空水冷の水平対向2気筒。排気量は1300ccで145PS/7750rpmの最高出力と149Nm/6500rpmの最大トルクを発揮します。完全新設計で、先代モデルより圧倒的にコンパクトになっていますが、それでも左右に張り出したシリンダーはBMWのボクサーエンジンならではの迫力があります。
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