【比較】Apple WatchとAndroidを使い比べてみた!

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筆者はiPhoneとAndroidスマートフォンの両方を使っており、Apple Watchを買うまでは、Android Wearの「ZenWatch」を使っていました。価格は2万9800円(税抜)。Apple Watchと同じようにステンレスケースで、本革ベルトで、装着感はすごく気に入っていました。それ以前に、2本のスマートウォッチを使ったことがあるのですが、「ずっと使い続けたい」と思えたのは、ZenWatchだけでした。
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ですが、両腕にApple WatchとZenWatchを巻くわけにはいきません。大きさを比べるために、一応、巻いてしましたが、やっぱり不自然ですよね? そんな奇妙な人にはなりたくないので、5月1日以降は、Apple Watchだけを使っています。
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Android WearからApple Watchに乗り替えた筆者の視点で、どちらのほうが使いやすいか? どちらが愛着を持って使い続けられるか? という率直な感想を述べさせていただきたいと思います。で、いきなり結論を言っちゃってもいいですか? Apple Watch、非常に便利です。どんどん好きになってきました。手放せなくなりそうです(笑)。

●バッテリーは余裕で1日持ちます!

Apple Watchを購入するにあたり、最も心配していたのは電池持ちでした。それまで使っていたZenWatchは、電池持ちのスペックは公表されていないものの、フルに充電しておけば、1日は使い続けられました。Apple Watchは、アップルが「通常使用で最大18時間」と公表していたので、「最大」ということは、使い方によっては、そんなに持たないのではないか? と心配していた次第。ですが、むしろ「使い方によっては18時間以上持つ」というのが実感です。

筆者の場合、満充電で朝9時頃に家を出て、帰宅するのが夜の11時頃なのですが、14時間ほど使っても、電池は半分以上残っています。あまり画面を見ないというわけではなく、むしろ、一般的な使い方よりもヘヴィーに使っていると思います。電話も受けるし、「LINE」も入れているし、活動量なども頻繁にチェックするし……。というわけで、「電池残量を心配しながら使わないといけないのでは?」「充電器を持ち歩かなくてはならないのでは?」という心配は、徒労に終わりました。
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ただし、iPhoneと常にBluetooth接続することになるので、iPhoneの電池持ちは必然的に悪くなります。そもそも、iPhoneではゲームをするので、1日は持たないのですが、電池の減りは以前よりも若干早くなったように感じています。

●ディスプレイは解像度以上にキレイです!

Apple Watchのスペックにはディスプレイ解像度は記されていませんが、iPhoneと同じく「Retinaディスプレイ」が採用されています。開発者向けに公開されている仕様などから、42mmモデルは312×390ピクセル、38mmモデルは272×340ピクセルであることが明らかになっています。ZenWatchなどのAndroid Wearは320×320ピクセルが主流なので、解像度は、ほぼ同等と言えます。

ですが、実際に見た印象ではApple Watchのほうが、くっきり鮮明に見える印象です。ディスプレイの性能によるものか、フェイスを保護するサファイアクリスタルによるものか、正確な理由はわかりません。

Apple Watchの画面デザインは、背景は黒が基本。屋外でも鮮明に文字を読み取れて、眩しくもないという印象。明るさは3段階で調整できますが、設定を変える必要性を感じたことはなく、ずっと初期設定の中レベルのままで使っています。ZenWatchも見やすさに不満を感じたことはなかったのですが、屋外で明るさを上げたり、屋内で明るさを下げたり、調整することはありました。
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●個人的には、ストレスを感じることなく操作できています

操作性も悪くないです。思っていたよりも簡単で、迷わず操作できています。ただし、それは、筆者がこれまでにAndroid Wearを使っていたからかもしれません。OSやUIが違うとは言えども、できることは共通していて、操作性が似ている部分もあります。Apple Watchは、後発のスマートウォッチでもあり、ライバルの弱点を研究して、初号機ながら完成度の高い操作性を実現しているようにも思えます。

ただし、使い始めた当初に「どう操作すればいいのかわからない」と戸惑った人も少なくないようです。筆者の職場では、すでに5人がApple Watchを使っていますが、初めてスマートウォッチを使う人は、文字盤をカスタマイズする方法や、不要な通知をオフにする方法などが、しばらくわからなかったようです。

Apple Watchは、竜頭を模した「デジタルクラウン」という部位で、画面のスクロールや項目の選択などを行えるのが特徴。この操作も、使い始めた日に慣れました。また、この機能が直感的な操作性に大きく寄与しているように感じます。
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Apple Watchには、画面を強く押す「感圧タッチ」という操作方法もあります。これも、iPhoneにおける「長押し」に近いものなので、迷わず使いこなせました。例えば、文字盤をカスタマイズしたり、「アクティビティ」というヘルスヘアアプリの目標値を変更したり、重要な設定変更を行うときに、この操作を用いる仕組みになっています。つまり、軽く触れただけで変更されちゃったら困る、という場合のみ、強く押す必要がある、といった感じです。
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タップやスワイプの反応もスムーズなので、今のところ、ストレスなく操作できています。ちなみに、Zenwatchでは、アプリを追加するにつれ、反応が鈍くなったり、スワイプしたつもりがタップと認識されたり、多少ストレスを感じることもありました。

●プリインの「アクティビティ」はキラーアプリになるかも

Apple Watchの最大のアドバンテージと感じているのが、「アクティビティ」というアプリです。これは、内蔵センサーでユーザーの行動を自動的に計測・記録してくれる機能。初回起動時に1日のアクティブカロリーの目標を設定するだけで、毎日のアクティブカロリーと、早歩き以上の運動をした時間、ずっと座りっぱなしではなく、適度に立ち上がって体を動かしたか否かなどをチェックしてくれるんです。その到達度が、3色のリングで表示され、「もう少し歩こう」「机での作業を休憩して、少し身体を動かそう」などとの意識付けにもつながる仕組みです。
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毎日の成果は、iPhoneに自動的に追加される「アクティビティ」アプリに蓄積され、自分の頑張りを振り返ることもできます。成果によって増えていく「バッジ」も、モチベーションの向上につながっています。なんとなく楽しいんですよ。「アクティビティ」は、「歩数計の進化版」あるいは「超簡単に使える活動量計」という印象で、筆者(50歳)と同じ中高年世代には受けると思います。
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目標を決めて、しっかり運動をしたい人向けの「ワークアウト」というアプリもプリインされています。また、「RunKeeper」「Noomコーチ」などの人気アプリもApple Watchに対応しています。
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Apple Watchには、電話やメールの通知、カレンダーやスケジュールのチェックなど、いろいろな用途がありますが、それらはApple Watchがなくても、ポケットに入れたiPhoneを取り出せば、わかることですよね? それだけではApple Watchの購入動機にならないと思います。

使った人が、すぐに利便性を実感できる「アクティビティ」をプリインしたことは、戦略として大成功ではないかと。実際、筆者が同世代の友人や知人に見せたときに、最も興味を持たれるのが「アクティビティ」です。

●電話やメッセージも期待していた以上に使いやすい

ある意味では、必ずしも必要ではない電話やメールなどの基本機能も、「Apple Watchを買ってよかった」と思えるように工夫されています。たとえば、電話を着信した場合、Apple Watchで応答ボタンをタップするだけで、すぐに通話を始められます。とは言え、Apple Watchでの通話はスピーカーホンになるので、相手の声が周囲に聞こえて、状況によっては通話しづらいですよね。その際、iPhoneを取り出して、起動している電話アプリの画面を開くと、すぐにiPhoneでの通話に切り替えられます。
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筆者の場合、普段iPhoneはマナーモードにしているので、鞄の中に入れている場合は、着信に気づかないこともあります。気づいても、鞄から取り出すまでに切れてしまったり……。Apple Watchを使ってからは、そういう失敗は、ほぼ皆無になりました。

メールは、受信通知をすぐに確認できます。これは、ZenWatchでも同じです。iOSには「メッセージ」と「メール」の2つのメールアプリがありますが、「メッセージ」に届いたメールには、返信もできます。筆者の場合、ソフトバンクのキャリアメールは「メッセージ」で送受信していますが、それには、独自の絵文字や定型句、音声入力などで返信ができます。
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もちろん、長いメッセージを入力して、きちんと返信するには、iPhoneを取り出せばいいのですが、「了解」「後で返信します」などと声で素早く返事ができるのは便利。「メール」アプリでも返信ができるようになればいいなぁ〜と、次のアップデートを期待しています。なお、ZenWatchでも、Gメールは音声で返信できます。なので、メールの使い勝手は、ほぼ互角と言っていいでしょう。

「LINE」アプリが対応していることもApple Watchの大きな魅力。新着メッセージが読めて、ベーシックなスタンプで返信することもできます。次期OSでは、使えるスタンプを選べたり、より便利になることを期待しています。
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●強いて不満を挙げるとすれば……

Apple Watchについて、強いて不満を挙げるとすれば、画面のカスタマイズ性でしょう。Android Wearは、Androidスマートフォンと同じように、壁紙や文字盤をかなり自由に編集することができます。サードパーティのアプリを使って、初期搭載とは異なるランチャーメニューを追加するということもできます。

一方、Apple Watchは、画面のカスタマイズはできますが、ベースとなる文字盤デザインの種類はさほど多くはありません。それを選択した上で、デザインによっては色を変えたり、複雑時計よろしく表示させる情報を選択したりできます。しかし、自分が好きな写真を壁紙に設定したり、文字盤のフォントを変えたりといったことができません。あくまでも「アップルが提案するデザインのままで、多少調整して使ってください」という印象です。
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Apple Watchのデザインコンセプトを守るためには、それは正しい戦略と言えるかもしれません。ですが、今後、ユーザーが増えていくと、自分だけのオリジナルの文字盤を使いたいというニーズも出てくるはず。それに対応するアプリが登場することにも期待したいですね。

個人的に、もうひとつ「あればいいな」と思っている機能があります。ZenWatchには、スマートフォンとの接続が切れるとブルッと振動する機能があります。それにより、家を出る際などにスマートフォンの置き忘れに気づくことができます。Apple Watchには、その機能はないようで、画面の表示が変わるだけです。

なお、iPhoneが見当たらないときに、Apple Watchでの操作でiPhoneを探せる機能はあります。Apple Watchの画面をタップするだけで、iPhoneをマナーモードにしていても音が鳴り、所在がわかる仕組みです。これは、ZenWatchにも同様の機能があります。
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●初代モデルとしては、大満足の仕上がり

Apple Watchは、今のところ大きな不具合は発生していないはずです。初号機ということもあり、ユーザーの多くは、モバイル業界の関係者だったり、熱心なアップルファンだったりするので、好意的に評価している人が多い印象です。

筆者は、iPhoneもAndroidもそれぞれに利点があると評価する中立的な立場にいると自覚していますが、Apple Watchが初号機にして、このクオリティーを実現していることは賞賛すべきことだと感じています。後発というメリットはありますが、おそらく、ものすごい台数を一気に出荷したのでしょうし、歩留まりが悪いことは容易に想像できるし、品質管理は大変だったと思います。

筆者は、そもそも腕時計を付けていなかったのですが、そんな筆者でも違和感なく使えていますし、使うことが楽しくも感じます。日本は、2年縛りの割引などでiPhoneを安く買えるので、iPhoneの実質価格と比べるとApple Watchは高く感じるかもしれません。しかし、本来の価格としては、iPhoneよりも安いモデルも用意されているので、さほど高額でもなく、妥当な価格設定と言えるかもしれません。

いまAndroidスマートフォンを使っている場合は、Android Wearを選ぶのが現実的なのですが、もし、Apple Watchに惹かれるのであれば、これを機に、スマートフォンをiPhoneに機種変更してもいいのではないかとも思います。Apple Watchは、そう思える仕上がりです。スマートフォンを選んでからウォッチを選ぶのではなく、まず使いたいスマートウォッチを決めて、それに対応するスマートフォンを選ぶ。そんな人も増えてくるのではないかと思います。

(文/村元正剛)

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