■100円ショップのボードに取り付けてみよう
いきなり設置で躓いたAnker「Eufy Solar Wall Light Cam S120」ですが、まずは設置問題を解決していきます。
翌日、100円ショップで壁の代わりになるボードを物色し、木製の“デザインボード”(330円)を購入。これに固定用ブラケットをネジで固定することで、とりあえずカメラの取り付けはクリア。
あとは「Eufy Solar Wall Light Cam S120」をデザインボードごと設置したい場所に固定すれば完了です。今回はあくまでレビュー用の仮設置なので、カメラを取り付けたボードの置き場所は玄関横の水栓の上のまま。ボードには穴が沢山あるので、結束バンドでも、より強固なDIYグッズでも固定が可能です。ただし本当に設置するなら、当然ですが手の届かない場所を推奨します。
ちょっとここで話を戻して、「Eufy Solar Wall Light Cam S120」の初期設定を紹介します。
「Eufy Security」アプリを開くと、カメラ本体のQRコードをスキャンしてデバイスを登録するだけで設定が進みます。
カメラ本体は2.4GHz帯のWi-Fi専用で、接続は若干コネクションで待たされた上で、ライブ映像がアプリ画面に即時表示されます。
これで設置もセットアップも完了し、2日の実働を経て、防犯カメラとしての性能を確認していきます。
映像をアプリから確認してみると、昼間の映像は2K解像度のおかげで、庭先に映った不審な人間(=動作確認している僕)もしっかり確認できます。色味も自然で、僕や家族が庭を歩く様子などは鮮明。夜間の映像は庭の照明がついていれば十分キレイ。ただ夜間はナイトビジョンでモノクロになります。
容量は少なめですが、本体に8GBのストレージを内蔵しているので、録画した映像の保存については追加コストなし。
映像はアプリの“イベント”タブに記録されていて、UIや操作性も洗練されています。なおクラウド録画サービスはありませんが、Ankerのセキュリティカメラ用ストレージ「HomeBase S380 (HomeBase 3)」(1万5990円)と連携すれば、クラウドではなく家庭内で保存も可能です。
■動体検知精度とソーラーパネルについて
さて、「Eufy Solar Wall Light Cam S120」を使って気付いたことですが、“動作検知”の重要度が非常に高い。なぜなら、常時録画を行うのではなく、バッテリー消費を抑えるために動作を検知した際に初めて録画やライトが点灯するから。
というわけですが、実はこの動作検知、昼間の精度は高いのですが夜間は“検知感度”を最も高く設定した上で“すべての動体”の検出にしても、時々見逃しがありました。
例えば、夜間に玄関から庭に出て戻ってきたら、出た時は記録されているけど戻ってきた時は記録されていないなどです。
これは初期設定でバッテリー節約のために最大の録画時間(秒)とトリガー間隔設定を自動調整していることも関係していそうです。また、検知エリアを画面全体(人物・動体の共通設定で検出を特定エリアのみに限る機能もあります)に設定し、最大感度にした上で、夜間に植木の後ろに隠れて木を揺らしてみても検知していないので、動作検出そのものがやや弱いようです。
ちなみに前回レビューしたTP-Linkは、動作検知の精度が高い上に、動体・人物・ペット・車両で個別に検知エリアを設定して誤動作を防げます。これを考えると、「Eufy Solar Wall Light Cam S120」の動体検出は検知の感度も設定面もソフトウエアアップデートなどで改善に期待したいですね。
ソーラーパネルの発電量と、バッテリー運用に関してもチェックしてみます。
検証できたのは3日のみですが、バッテリー残量76%からスタート。1日あたり6時間ほどは日の当たる場所です。天気は小雨~晴れでさまざまでしたが、1日あたり30~50件程度のイベント検出で、バッテリー収支は1日あたり1.3%ほどのプラスに推移。発電量は多くないですが、そもそもバッテリー消費が小さいので簡単にバッテリー切れすることはなさそうです。あと、アプリでバッテリー残量だけでなく収支も知らせてくれる点も安心材料。
ちなみに録画映像による標準の内蔵ストレージ8GBの占有は1日分で1~2%ほど。ただ我が家はイベント数が少ない方なので、これは人の往来や出入りの頻度次第ですね。
* * *
Anker「Eufy Solar Wall Light Cam S120」を設置して検証してみましたが、防犯カメラとしては最高性能ではありません。
でも、思い出してください。自宅に防犯カメラを設置する目的は、まずは防犯、つまりは犯行を思いとどまらせることです。
センサーライト一体型で夜間でもハッキリと存在を主張することは、不審者に「見られている」というプレッシャーを与えられ、防犯効果を期待できます。
ただ日中はというと、デザインは洗練されていますが、防犯カメラとして目立たないので一長一短。今のご時世ですから、日中にも防犯効果があるように、そしてご近所さんへの告知の意味も込めて、防犯カメラ作動中のシールを目立つ場所に張っておくことをオススメします!
>> Anker
<取材・文/折原一也 撮影協力/アンカー・ジャパン>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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