使わなきゃ損!「Google Pixel」で使えるAI機能をまとめてチェック<前編>

4. 文字起こし

実用性が高い機能としては「レコーダー」アプリでの文字起こし機能は外せないところ。録音をしながら、オンデバイスの処理で、音声をテキスト化できます。日本語の文字起こし精度も良好で、実際にライターの業務でも使えています。

「レコーダー」アプリを起動して録音を開始し、「文字起こし」のタブを選択するだけと、複雑な手順が必要ありません。

レコーダーアプリの使用手順

▲「レコーダー」アプリの録音画面で「文字起こし」タブを選び(左)、言語を選べば(中)、内容がテキスト化される(右)

なお、アプリ内に表示されるアカウントアイコンから「レコーダーの設定」へ進み「スピーカー ラベル」のスイッチをオンにしておくと、文字起こしされたテキストに発言者のラベルが付与され、いわゆる話者分離機能が反映されるようになります。これも話者が複数人いる場合には、必須の機能なので嬉しいポイント。

また、作成されたテキストは、アプリ内の操作からGoogleドキュメントに出力できるので、PCでの作業に繋げたい場合にも、スムーズに連携できます。

なお、文字起こしの精度に関しては、筆者が試している範囲だと、専門用語などを除けば、8〜9割は書き直しをしなくても正しく読める状態になる…くらいの印象です。

生成AIモデルを使った内容の要約などは、本記事の検証時点ではまだ確認できませんでしたが、Pixel Dropのアップデート情報よるとそろそろ対応するようです。こうした処理をコピペなどを挟まずに、レコーダーアプリ内から直接実行できるようになれば、もっとスマートに使えるのかもな、という期待感は頭の隅に残ります。

【筆者の評価】
・楽しさ:★☆☆☆☆
・使いやすさ:★★★★★
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★★

▶︎ひとこと

すでに実用レベル。外部データの取り込みが簡単だったら、有料のWebサービス使う機会なくなるかも…

 

5. ズーム画質向上

撮影した画像の編集関連で個人的に気になっていたのが、「ズーム画質向上」。拡大したときに粗くなってしまうディティールを、画像生成モデルの補助を使って綺麗に整えるという機能です。「まだ初期段階での提供なので変な結果が出ることもあります」という旨の但し書き付きではあるので、現状どんなものなのかと…。

Googleフォトアプリで編集画面を開き、「ツール」の欄にある「ズーム画質向上」を選択。ピンチアウト操作等で、倍率と構図を調整し、「切り抜きと補正」をタップします。あとは生成AIがそれっぽいディティールを“描いて”くれるという感じ。ちなみに、Googleフォトアプリの機能なので、ほかのスマートフォンで撮影した画像を取り込んでも適用できます。

「ズーム画質向上」機能の使用手順

▲「Googleフォト」アプリの編集画面で「ツール」→「ズーム画質向上」を選択し(左)、画角を調整して「切り抜きと補正」をタップ(中)。生成AIでディティールが描かれるので、気に入ったら「コピーを保存」をタップ(右)

筆者が実際に使ってみた範囲だと、高い枝に生えていた「花」のように、決まった正解がある被写体だと上手くいく確率が高いのかなと感じました。一方、遠くに見える船や、野鳥などをズームして粗くなってしまった画像で試すと、結局歪んだ油絵のような質感になってしまったりもして、「うーん、これは…」と呟くことも。

実用的に使うには、もうちょっと安定してほしいかな、といったところです。

【筆者の評価】
・楽しさ:★★★☆☆
・使いやすさ:★★★☆☆
・実用性:★★☆☆☆
・自分で使いたい度合い:★★☆☆☆
・人に勧めたい度合い:★☆☆☆☆

▶︎ひとこと

んー…たまに上手くいくと嬉しいけど、使いどころが悩ましい

 

6. 消しゴムマジック

そして、前編最後の機能は「消しゴムマジック」です。こちらは「Adobe Photoshop」でいうところスポット修正ブラシのような機能で、タッチ操作のみで不要な写り込みを自然に削除できます。

こちらも「Googleフォト」内で使えます。機能を選んでから消したい被写体を指で囲むだけでOKなので、非常に使いやすい。

「消しゴムマジック」の手順操作

▲「ツール」から「消しゴムマジック」を選択し(左)、消したいオブジェクトを囲む(中)。オブジェクトが自然に消去された(右)

外食の際に「美味しそうなご飯を撮ったけど、端にお手拭き写っちゃったてた…」みたいなときにサッと消せるのがとにかく手軽で、実用性は抜群です。ただ、クリエイティブツールとしてはもう定番機能の類になっていると思うので、スマホで使えるということを除けば、機能自体への感動はそこまでありません。

【筆者の評価】
・楽しさ:★☆☆☆☆
・使いやすさ:★★★★☆
・実用性:★★★★★
・自分で使いたい度合い:★★★★★
・人に勧めたい度合い:★★★★☆

▶︎ひとこと

もう、この手の機能は欠かせません

*  *  *

PixelにはまだまだAIを活用した機能がたくさんあるので、続きは後編にて紹介します。

>> 特集「スマホAIの使い方」

<取材・文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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