フェラーリが2024年5月に発表した「12チリンドリ・スパイダー」というオープンモデルに、25年2月に乗りました。12気筒エンジンをフロントに搭載していて、往年の名車「365GTS/4」からインスピレーションを受けたというボディデザインが魅力的です。
■12気筒エンジンにこだわるフェラーリの矜持
12(ドディチ)チリンドリという車名は、ちょっと耳慣れないですが、英語にすると12シリンダー、12気筒エンジンを意味します。
世の中が(ゆっくりとではありますが)EVへと向かう中で、「できる限り12気筒エンジンにこだわっていたい」とするフェラーリの矜持を感じさせる車名でもあります。
実際に、今回の6496cc12気筒エンジンは、このクルマのために、いろいろなところに手が入れられていて、今日び珍しい自然吸気型(ターボでない)でありながら、610kWの最高出力と678Nmの最大トルクを発生します。
とくに注目は、最高出力の発生回転数が9250rpmと、かなり高いこと。まるでレースカーのようです。加速していくと、ふつうのクルマなら危険域、レッドゾーンに入るところ、フェラーリの12気筒は実にスムーズに回るのです。自然吸気の良さを活かしたフェラーリならではの力作です。
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