オールドスクールな形のライトですがこれには理由があります。ハンドル部分とボディの間には広い空間があり、厚手の耐火グローブなどをしていても余裕をもって握れます。内蔵充電池はリチウムイオンなので軽く、見た目以上に重くは感じません。
ボディは強化樹脂製でIP66の優れた防水、防塵性能、2m落下衝撃に耐える丈夫なボディをしています。 ボディの色はいかにも「業務用」といった感じの暗い赤。前作「ファイアーバルカンLED」の鮮やかなオレンジと比べると印象がかなり異なります。なお、このボディは静電気抑制効果があり、素材そのものが「ファイアーバルカンLED」のそれとは異なるようです。
スイッチはトルグ式。左右でON/OFFを操作します。他のライトではあまり見かけないスイッチですが、基本的に常時点灯で使うことが想定されたライトなので、頻繁に操作しない、もしくは誤操作させないための仕様と思われます。
シャープな遠方照射を実現する大口径のリフレクター。レンズ前面にはガードが付いています。簡単には外せません。外す場合は黒いベゼルごと外すことになってしまうので、ガードだけを外して使うことができません。
搭載LEDはMAX180ルーメン ランタイムも3時間30分と長時間点灯できるようになっております。ストリームライトの防爆系のライトは実用一辺倒の仕様です。数百ルーメン、数千ルーメンを出して「どうだ! 明るいだろ! でも数分しか明るくないけどな」みたいなモデルとは正反対の位置にあるような存在です。
配光は実に個性的。ベゼルにガードが付いているので、想像したとおりガードが影となって現れます。普通の懐中電灯と考えるとかなり使い難そうなものです。バルカンLEDがその真価を発揮するのは中心光だけ。この小さなスポット光が重要となります。周辺光は「捨てても」レンズの損傷を防ぐことを優先しています。
遠くを照らしてもガードの影ははっきりと出ます。普通のライトに見慣れているとかなり違和感のある配光です。しかし、この「バルカンLED ATEX」はそれほど過酷な現場に踏み込むことを想定したライトであるということです。必要とされるのはガスや煙が充満する区域への持ち込み。そういった現場が「普通」でないのは容易に想像できるかと思います。
充電はバルカン専用のチャージャーラックに差し込んで行います。本体に直接ACアダプター等を挿すことはできません。恐らく防爆認証の規定でそれができないのだと思います。
標準セットの付属品は電圧フリーのACアダプターと12V用のシガープラグ、シートベルト式のリリースショルダーベルト。厚い消防服にライトをしっかりと巻き付けて火災現場に突入後、ワンプッシュで手持ちライトへと解放でます。
この「バルカン LED ATEX」はいわゆる一般的なLEDライトとはかなり用途の異なる特殊モデルです。消防、産業系で絶大な信頼と人気を誇る「ファイアーバルカン」の最新モデルであり、“ZONE 2(2種場所)※” での使用が可能な充電式の防爆ライトとなります。(アカリセンター価格:3万9204円 バッテリー込みの標準セット)
※ガス、もしくはダストが充満する可爆環境(爆発的雰囲気)の分類で、“ZONE 2”は「ガス、蒸気又はミスト状の可燃性物質と、空気との混合物質で構成される可爆環境が、通常運転中に生成しても短時間しか持続しない区域」を指す
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(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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