そんなアイシングループが、これまでどんなものを作ってきたのか? また、作っているのか? その一部を展示する施設「コムセンター」を覗いてみました。
エントランスには、スケルトンボディのクルマが展示されています。いや、スケルトンではなく、アイシングループで作っているパーツを集めたもの。ほとんど、クルマが仕上がってしまいそうな構成パーツの多さです。
1階には、ヒストリーゾーンが広がります。と、そこへ、可愛い家庭用ミシンが運ばれてきたのに、たまたま遭遇。ブランド名は“TOYOTA”。ミシン本体に彫金が施されているなど、とてもエレガントな品物。1940年代の骨董品で、動態保存するためにレストアしていたものが、ちょうど完成して届いたのだとか。
アイシン精機は、歴史を大切にする会社なのだと感心していると、現れたのは、トヨタの初代「カローラ」と「スポーツ800」。こちらも動態保存の逸品。技術の伝承と、人材育成のために、社内でフルレストアしたというのです。クルマのことを知らなければ、クルマのパーツは作れない。そういった意気込みを感じさせます。
そんな意気込みを、クルマに対する情熱だけにとどめておくのは難しい。なのでコムセンターには「こんなものも作ってるの(作ってたの)?」というお宝が、たくさんあります。
まずはシャワートイレ。「え?」と驚くでしょう。そうなのです。お宅にあるシャワートイレは、もしかしたらアイシングループが手掛けるOEM製品である可能性があります。
まだまだあります。洗濯機に冷蔵庫、カラーテレビ、卓上ビリヤード、キャンピングカーユニット、そして、かつお・まぐろ自動一本釣機に足裏マッサージ機…。枚挙にいとまがないとは、このことを指すのですね。
さて、クルマのパーツを改めて振り返ると、電動スライドドアユニットを発見! 電動モーターやアーム類で構成されるそれは、当然、車種ごとに設計、最適化されて製造されているもの。
せっかくなので、電動スライドドアユニットの製造ラインを見せてもらおうと思ったのですが、普段、目に触れるものではないだけに、構成パーツを見ているだけではすごさが伝わりにくい。
そんな我々の尻込みを察してか、今回はアイシン精機が世界に誇るパーツのひとつ、サンルーフの製造ラインを拝見させてもらうことになりました。