自動車部品メーカーが手掛けるベッド? 意外かもしれませんが、実はその歴史を知ると、もっと驚きます。なんと誕生は1966年。つまり、50年以上も快眠を追求してきた実績が、アイシン精機にはあるのです。
当時「トヨタベッド」ブランドとしてベッド事業を立ち上げ、まずはソファーベッドを世に送り出したアイシン精機にしてみれば、何を今さら驚かれても…といったところでしょうか。
しかし、もっと驚くのは、そのプロダクツのユニークさ。例えば、ベッドに付きもののコイルスプリングに代わり、ベッドに内蔵されるノンスプリングクッション素材“FINE REVO(ファインレボ)”。手に取って握ったり、テーブルに押し付けてつぶしてみたりしたのですが、不思議な感触。まるで形状を記憶したお餅のよう…。
この弾性体が寝返りをしやすくし、体圧を分散してカラダの負担を減らしてくれる、のだとか。しかも、48万回も荷重をかけた耐久テストもクリア。これは、マットレスを30年使ったのに匹敵するというのですから、いつまでも快適が続くわけです。
重ねてユニークなのは、このファインレボを採用した“ファインレボプライムマットレス”は、ファインレボが並んだ“フレックスバッグ”はもちろん、各部のパーツを交換できるようにしていること。マットレスのパーツ交換!? この辺りは、自動車部品メーカーのアイシン精機らしい取り組みといえるのではないでしょうか。
さて、快適睡眠へ独自のアプローチを見せながら、アイシン精機はユーザーのライフスタイルに合ったベッドを選べるよう、バリエーションを整えています。インテリアとしてもベッドの存在感は大きいですから、快眠できて好みのデザインであることも大切です。
ベッドフレームのサイズ、素材、色に加え、マットレスのセミオーダーまで行える、というのです。この辺りは、売れ筋グレードしか設定しない自動車メーカーにも、ぜひ見習って欲しいところ。とはいえ、こうもバリエーションが多彩だと、作るのが大変。一体、何種類くらいあるのでしょうか?
「ベッドだけだと、サイズ違いを含めて1200種類くらいでしょうか。そのうち800種類が、主たるものですが」
主たるものだけで800種類あり、MAX1200種類まである!? 自分好みのベッドが手に入るのはうれしい限りですが、間違いなく現場泣かせ…。
しかしアイシン精機は、自動車部品メーカーの強みを活かし、この多彩なバリエーションの生産を実現していたのでした。
それが“かんばん方式”。聞いたことありますよね?