筆者は“信者”と言えるほどではないですが、長くアップル製品を愛用しています。仕事で使うパソコンはiMacとMacBook Airで、iPhoneもiPadも使っています。Apple Watchも常に身につけていますし、自宅のテレビにはApple TVがつながっています。
ですが、新製品を次から次へと購入できるほど、懐に余裕はありません。iPhoneは毎秋、新しいモデルを購入していますが、「iPad Pro」の衝動買いはなんとか抑えました。12.9インチのiPad Proと純正のSmart Keyboardを組み合わせて使えば、もはやMacBookは要らないのではないか? モバイル用の大画面デバイスは、iPadかMacBookのどちらかひとつでいいのではないか? 次のMacBookが発表されてから決めよう! などと考えていたのです。
そこに登場したのが、MacBook Pro。新たに搭載された「Touch Bar」は直感的に操作できそう。指紋センサーも搭載し、音声検索「Siri」にも対応しました。MacOSとiOSが歩み寄ったというか、長所を融合したというか、iPhoneやiPadを使っている人にとって、より使いやすいマシンに進化したと言えそうです。
このMacBook Proの13インチモデルと、iPad Proの12.9インチモデルを同時に借りることができたので、1週間ほどじっくり使い比べてみました。
■ディスプレイが美しいのはどっち?
MacBook Proの利点として、まずRetinaディスプレイが挙げられます。筆者が試用した13インチモデルの解像度は2560×1600ピクセル(227ppi)。写真や動画を明るく精彩に表示できることはもちろん、小さな文字もくっきりと表示され、目にやさしい印象を受けました。
ちなみにiPad Pro(12.9インチ)の解像度は2732×2048ピクセル(264ppi)。スペックではMacBook Proを上回りますが、実使用においては、どちらも遜色がないでしょう。
■MacBook Proのキーボードの操作感は?
MacBook Proのキーボードは「第2世代のバタフライ構造」を採用し、従来よりも薄くフラットになっています。ですが、軽く押すだけで、しっかりとしたクリック感が得られます。キーの物理的な反発ではなく、言わば擬似的なリアクションが指先に伝わる感じです。使い始めは違和感があったのですが、ほんの1〜2日で慣れました。職場の同僚や部下にも使わせてみたところ、最初から「タッチしやすい」「操作しやすい」と感じる人が多かったです。キーピッチは標準的で、トラックパックは広くて感圧タッチにも対応。操作性にこれといった死角は見当たりません。
iPad Proは、Smart Keyboardを取り付けると2in1パソコンとして使えます。Smart Keyboardは日本語表示はありませんが、JIS配列準拠で4方向キーも備えているので、パソコンのキーボードと同じ感覚で操作できます。しかし、キーが硬いというか、若干強めのクリックが必要で、MacBook Proに比べるとスピーディーなタイピングには向いていない印象です。