続いて試乗したのは、同じく1000ccの4気筒エンジンをアルミ製フレームに搭載する「S1000R」。
基本的に、S1000RRと同じエンジンをベースにしていますが、こちらは最高出力が156馬力(日本仕様)に抑えられ、カウルを取り払ってアップライトなハンドルを装備した“ストリートファイター”と呼ばれるジャンルのマシンです。
上半身が起きたライディングポジションは視界が良く、やや幅のあるバーハンドルも抑えが効くので街中でも扱いやすそうですが、S1000RR譲りの加速はなかなか過激的。大きめにアクセルを開けると、目がついていかないくらいの加速を味わえるので、ワイドオープンにするには覚悟が必要です。
ライディングモードは「レイン」と「ロード」に加え、オプションで「ダイナミック」と「ダイナミック プロ」を選ぶこともできますが、このふたつのモードを必要とするのは、それなりに腕に覚えがあるライダーでしょう。
車体の剛性感は、S1000RRほどではないですが、コーナーでの安定感は健在。路面に吸い付くようなグリップ感は、初めて乗っても安心できるものです。シャープなデザインと過激な加速はヤンチャなマシンを予感させますが、意外とツーリングなどでも活躍してくれそうなモデルです。