C-HRの特徴のひとつが、シャーシに現行「プリウス」と同じ“TNGA(Toyota New Global Architecture)”を採用していること。プリウスと比べて車高が高く、ホイールも大径となりホイールベースも異なりますが、サスペンション形式などは同一です(C-HRのショックアブソーバーはザックス社製になっています)。
用意されるグレードは、1.8リッターのハイブリッドユニットを積む「G」と「S」、そして、1.2リッターのターボエンジンを採用する「G-T」と「S-T」の4種類。
ハイブリッドモデルは、最高出力98馬力のエンジンと同72馬力のモーターという組み合わせ。
対するターボ仕様は、最高出力116馬力を発生します。
ちなみに燃費は、ハイブリッドが30.2km/L、ターボが15.4km/Lと、だいぶ差がありますね。
パワートレーン以外にも、ハイブリッドは2輪駆動(FF)、ターボは4輪駆動という違いがあります。そのため、ターボ仕様の方が30kg重くなっています。また、トランスミッションは、ハイブリッドがプリウスと同じ電気式無段変速機なのに対し、ターボはCVT(7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付き)となっています。
最高出力は、エンジンとモーターのそれを足すとハイブリッドモデルの方が上で、車重も軽いのですが、乗ってみるとスポーティに感じるのは、実はターボの方。「加速させよう」と思いアクセルをグッと踏み込むと、ドライバーの意志に呼応して車体が加速していく感じです。
対してハイブリッドモデルは、ゆっくりと発進する際はモーターのトルクのおかげで非常にスムーズなのですが、大きくアクセルを踏み込むと、一瞬ですがドライバーとの意思の疎通に遅れが生じるような印象。また、エンジンがかかるシーンでは、思ったより大きなエンジン音が車内に入ってきます。逆にターボ仕様は、思ったよりもエンジンが静かでした。
ハンドリングも、ターボ仕様の方がスポーティな印象。タイトなコーナーが連続するシーンでも、4WDのネガな部分は感じられず、逆に4輪がしっかり踏ん張って車体を前に進めてくれる感じでした。
逆に、ハイブリッドの方は、車重は軽いはずなのに、速度が乗るコーナーでは遠心力で外へ持って行かれそうになる感覚があり、飛ばして乗るよりもゆったりとクルージングする方が気持ちよい印象でした。
……と、ここまではプロトタイプを試乗したクローズドコースでのインプレッション。アクセルを大きく踏み込むケースが多いコースだったので、ハイブリッドのエンジン音が気になりましたが、今回、公道でドライブしてみると、印象はだいぶ異なるものでした。