【趣味のためのクルマ選び】荷室容量はライバルを凌駕!アウディ A4 アバント

A4の前身に当たる「80」シリーズの頃には「実用性の高さがジマン」というよりは、「スポーティな生活を送る自分を表現する」という、スタイリッシュワゴンの側面が強かったアウディのワゴン。

ところが新しいA4アバントでは、メルセデス・ベンツ「Cクラス ステーションワゴン」の450リッター、BMW「3シリーズ ツーリング」の495リッターを上回る、505リッターの荷室容量を誇ります。5世代目のアバントは、見ても、乗っても、使ってもいい、プレミアムモデルに進化しているのでした。

アウディ A4 アバント

リアガラスが強く前傾したハッチゲートを開けると、床面がスクエアなA4アバントの荷室が現れます。荷室を覆うトノカバーから上の空間が、屋根裏部屋よろしく斜めに切り取られているので、一見「あまり使えない!?」と感じさせますが、安心ください。カバーから下の常用域は、キッチリ四角く確保されています。

アウディ A4 アバント

使い勝手の目安として、いつもの撮影機材を積み込んでみます。国内線の機内に持ち込み可能なカメラバッグ、3段の脚立、長さ120cmのライトスタンドバッグ、三脚、レフ板セット、ふたつの大型ストロボ、そして、メイクさんが持参するバッグを模したトラベルケースです。

メジャー片手にフロアを測ってみると、横幅100cm、奥行き106cm。うーん、このままだと、ライトスタンドバッグを斜めに置くしかありません。いきなり荷室テストの先行きに暗雲が垂れ込めました(ちょっと大袈裟)が、同行した編集氏が「側面のモノ置きのネットを下げてみれば?」とアドバイスしてくれました。

アウディ A4 アバント

A4アバントには、進行方向に向かって右側に20cm、左側に5cm、側面の壁をえぐったスペースが存在します。長尺物を横向きに収納することを想定していると見え、仕切りのネットは簡単に下げられます。左右ともネットを下げれば、125cmまでなら苦労なく積載できるわけです。

アウディ A4 アバント

荷室の奥行き106cmは、3シリーズの102cm、Cクラスの98cmを上回るので、機材の積み込みは順調に進みました。荷室フロアからトノカバーまでの天地は44cm(3シリーズ ツーリングは42cm)と標準的。ただし、前述のとおり、トノカバーから上は急激に狭くなるので、どう畳んでも1辺が44cmを超えるような、かさ張る荷物は苦手です。その場合は、リアシートの背もたれを倒し、荷物を前方にズラして載せる手があります。

アウディ A4 アバント

リアシートは、4:2:4の分割可倒式。荷室内のレバーを引けばロックが外れるので、背もたれを手でひと押ししてやれば、そのまま倒せます。荷室容量は、最大1510リッターまで拡大可能です。なお、フロア下には予備のタイヤが収まるので、いわゆる床下収納はありません。

ちなみに、トノカバーを巻き取って収納するバーには、荷室とキャビンを分かつネットも備わります。このバーは、リアシート背もたれの背面に取り付けることもできるので、シートを倒した際にも使えます。やむを得ない急ブレーキの際にも、後方から荷物が飛び込んで来る危険性がグッと抑えられます。

アウディ A4 アバント

最後に、A4アバントのラインナップを復習しておきましょう。パワーパックは、2リッター直4ターボと7速ATの組み合わせのみ。ただし、同じエンジンながら、FFモデルは190馬力、“クワトロ”こと4WDモデルは252馬力と、2種類のチューンが存在します。

アウディ A4 アバント

価格は、FFモデル「2.0 TFSI」が547万円、よりスポーティに装った「2.0 TFSI スポーツ」が585万円。クワトロには626万円の「2.0 TFSI クワトロ」と、653万円の「2.0 TFSI クワトロ スポーツ」(653万円)がラインナップされます。

撮影に用いたのは「2.0 TFSI クワトロ スポーツ」。オプションカラー(タンゴレッドメタリック/8万5000円)、レバーパッケージ(45万円)、バング&オルフセンオーディオ(17万円)、マトリクスLEDヘッドライトパッケージ(34万円)といった、アディショナルな装備を追加しています。

<SPECIFICATIONS>
☆アバント 2.0 TFSI クワトロ スポーツ
ボディサイズ:L4735×W1840×H1455mm
車重:1680kg
駆動方式:4WD
エンジン:1984cc 直列4気筒 DOHC 直噴ターボ
トランスミッション:7AT(ツインクラッチタイプ)
最高出力:252馬力/5000〜6000回転
最大トルク:37.7kg-m/1600〜4500回転
価格:626万円

(文&写真/ダン・アオキ)


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