▼エースキャラバンズ「エース565LD」
ヨーロッパでは配送車としての需要が高い大型商用バンのフィアット・デュカト。配送以外にキャンピングカーのベース車両としても人気があり、ジャパンキャンピングカーショーでもデュカトをベースにしたモデルが何台も出品されていました。エース565LDはキャンピングカーメーカーとして人気のあるフジカーズジャパンが日本向けにスペインのエースキャラバンズと共同開発したモデルです。
565LDはファミリーでの使用を想定したタイプ。ボディ後方に常設の2段ベッドを設けたほか、電動のプルダウンベッドとリビングスペースをベッドに組み替えることで、最大6人で就寝できます。
アルミ製のシンクはコンパクトながらも使いやすい設計に。限られたスペースの中に効率よく配置することで、リビングスペースを広く使えるようにしてあります。
ダイネットは大人5人がリラックスして座れる空間を確保。ソファ脇に冷蔵庫が置かれているので、くつろぎながら手を伸ばせるのもいいですね。センターの大型テーブルを収納するとソファをベッドに組み替えられます。価格はメルセデス・ベンツGLE 350 d 4MATIC(868万円)やBMW X5 xDrive35d SE(878万円)より少し安い感じですね。
エース565シリーズにはもうひとつ、565CDも用意されます。こちらは少人数での使用を想定し、インテリアのラグジュアリー性を高めたモデルになります。また、ベースとなったフィアットデュカトは現在日本への正規輸入は行われていませんが、FCAジャパンは現在デュカトの日本導入を前向きに検討しているとのこと。これが実現すればキャンピングカーの新たなベース車両として各ビルダーが魅力的なモデルを投入するはず。楽しみですね。
>> フジカーズジャパン
▼AIRSTREAM「International European 534」
丸みを帯びたシルバーボディの車体がピックアップトラックなどに引かれている姿を映画で見たことある人も多いはず。『バグダットカフェ』『パーフェクト・ワールド』など数多くの映画に登場し、アメリカを象徴する道具のひとつと言えるのがエアストリームのキャンピングトレーラーです。
キャンピングトレーラーは一般的なキャンピングカーのようにエンジンや運転席はついておらず、室内は居住スペースのみに使われています。そして移動時は他の車両で牽引。日本では750kg以下のキャンピングトレーラーは普通免許でOK。それを超えるサイズは牽引免許が必要になります。
写真のモデルは全長6810mm×全幅2290mm×全高2650mm、車両重量が1500kgあるので牽引免許が必要になります。ちなみに日本では全幅2500mmを超えるものは道路を走行させてはならないと決められています。アメリカ仕様のエアストリームはこの制限に触れるため、日本仕様はワイドボディをナローボディに変更しています。
キャンピングトレーラーはキャビンがない分室内を自由に設計できるのがメリット。大きな革張りソファでくつろぎ、天窓を通して夜空を眺めるという使い方も可能。
インテリアはモダンな雰囲気で統一。シンクの奥には大きな常設ベッドが備わります。エアストリームのボディサイズは19フィートから30フィートまで用意され、また昔ながらの雰囲気を大切にしたクラシックやベージュを基調としたインテリアを採用するフライングクラウドなど、いろいろなタイプが用意されています。
>> エアストリームジャパン
今回紹介したのはまさに夢のキャンピングカー。価格的にもサイズ的にもなかなか手が出せないかもしれませんが、輸入元の営業担当者と話したところ、サイズに関しては「日本だと広大な北海道を走る姿を走るイメージかもしれませんが、本州だって案外普通に走れますよ。僕らはいろいろなイベントに車両を持っていきますが、よほど狭い場所じゃない限り普通に走れます」とのこと。定住する家ではなく、こういう車両を手に入れて全国を旅する人生を考えるのも悪くないかもしれませんね。
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(取材・文/高橋 満<BRIDGE MAN>)