島根富士通の大きな特徴は、一人ひとりの工員が最後まで作り上げる「セル生産方式」ではなく、製品が次々に運ばれてくるベルトコンベアーの上で作業を行う「ライン生産方式」を採用している点だ。ベルトコンベアーには同じ製品だけが流れてくるのではなく、全く異なる製品が次々に流れてくる「混流生産」を採用しているとのこと。ノートパソコンだとかタブレットだとか、毎回違う製品がジリジリと流れてくる中で、確実に作り上げていくのはまさにプロの技だと感じる。
混流生産に加えて、IoT技術を用いた作業工程の「見える化」なども特徴とのこと。さらに人だけ、もしくはロボットだけ、というのではなく、人とロボットが協調して生産に取り組める自動化、さらには顧客のニーズに応じてデザインや搭載アプリなどのカスタマイズも行える点も特徴となっている。
作業場の脇にはラインの稼働状況を表示するモニターが置いてあり、作業計画に対する実績、作業の遅れなどのトラブルによって呼び出された回数、ラインが止まった回数、ラインが止まった時間まで表示されている。
数字を見ると「ああ、こんなに止まるんだ」とつい考えてしまうが、そうではないらしい。ラインが全く止まらないということは、「もっと効率化できる“伸びしろ”がある」、逆に止まりすぎると「作業員に無理をさせすぎている」ということを示している。つまり「ある程度、止まるぐらいがちょうどいい」ということなのだそうだ。これが「カイゼン」の基本なのだなと感じた。
■半田が「自販機」から出てくる!