世界の空港案内[TRIP:04] マレ国際空港(モルジブ)

海外から到着して飛行機を降り入国審査を終えると、観光客はクルーザーでリゾートアイランドへ向かうか、遠方にあるリゾートの場合は水上飛行機で眼下にエメラルドグリーンの環礁を見ながらリゾートアイランドへとフライトする。

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▲マレ国際空港到着口の目の前には船着き場があり、これで首都の島や近隣のビーチリゾートへと旅行客は向かう仕組みになっている。

水上飛行機のターミナルに向かう時は、まずは国際空港到着口を出て水上飛行機のチェックインカウンターへ。その後マイクロバスに乗せられて、滑走路の端を通って反対側のターミナルへと移動する仕組みだ。

ちなみに空港の島は完全な離島ではなく、住宅街がある島とつながっている。そのため、車もターミナル前にはやってくる。しかし滑走路端は幅も狭く、飛行機が来ると遮断機が閉まる変わったシステムになっている。

ここでは滑走路をくぐるトンネルを掘るスペースはない。そして滑走路から一定の距離を保った一般道さえ、埋め立てないと作ることは不可能なくらいスペースがないのだ。

大型機が到着した場合、滑走路端で180度方向転換してターミナル前の駐機場へと向かうのだが、滑走路に平行した誘導路がない。そのため、全長70m超えのB777-300ERが来ると、滑走路が近すぎて駐機場も斜めに停めなければいけなくなる。そして大型機が出発する際は、当然ながらいきなり滑走路へとプッシュバックさせる。

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▲欧州へと向かうコンドル航空のボーイング767型機。現在拡張工事中だが、空港の島は誘導路をないくらいの幅しかなく、飛行機は滑走路端で180度ターンしなければならない。

今後中国の資本により空港と首都を結ぶ島の橋が建設されるほか、駐機場拡張計画もあるが、いずれにしても空港の島なので幅は狭いままだ。だから空港施設以外にこの島にあるのは、離島へと向かう旅客が泊まるホテルのみ。

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▲空港の島に唯一ある乗り継ぎ客用のホテル。奥は「住宅の島」でまさに空港施設のみの島がマレ空港の特徴。

実は、遠い離島に行く人で夜に海外から到着した場合、翌日まで宿泊する必要があるのだ。なぜなら海上に照明がないから。基本的に水上飛行機は夜間の離着陸はできない。

ちなみに水上飛行機運航会社は数社あるが、トランスモルジビアンエアラインズという航空会社は水上飛行機のみで45機も運航する世界でも最大規模の水上飛行機運航エアラインでもある。

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▲シープレーンの仮想滑走路を持つモルジブ・マレ国際空港内の湾。背景に見えるのは隣の島。手前の桟橋は水上飛行機の駐機場。

ちなみにモルジブはイスラム圏なので、首都の島にはアルコールはないが、観光客が宿泊するリゾートアイランドは日本や欧州と同じようにさまざまなアルコール飲料がある点がおもしろい。女性の服もそうで、首都の島はビーチであっても地元の人は髪の毛や体の線が出ない服を着用。しかしリゾートアイランドではビキニの女性が闊歩してもOKという、イスラムと西洋の両方が島によってルールが異なり珍しい。

そんなモルジブへは、残念ながら現在、日本からの直行便はない。シンガポール航空のシンガポール経由やスリランカ航空でコロンボ経由、そして一旦モルジブを通り過ぎて少し戻るが中東のドバイやアブダビ経由でマレに飛ぶフライトを利用することになる。

 


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(文・写真/チャーリィ古庄)

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チャーリィふるしょう/写真家・冒険写真家・フォトジャーナリスト

1972年東京生まれ、旅客機専門の航空写真家。国内外の航空会社、空港などの広報宣伝写真撮影を行ない旅客機が撮れるところなら世界中どこでも撮影に出向き、これまで100を超える国や地域に訪れ、世界で最も多くの航空会社に搭乗した「ギネス世界記録」を持つほか旅客機関連の著書、写真集は20冊を超える。キヤノンEOS学園講師。成田空港さくらの山に自身がプロデュースしたフライトショップ・チャーリイズをオープン(www.charlies.co.jp

 

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