【乗ってみた!】キミは「i-ROAD」ライダーになれるか?

このサービスでi-ROADに乗れるわけなのですが、面白い(?)ことに単に申し込んだだけでは乗れません。まずタイムズカープラスの会員になると、「ステージ1」というステータスが与えられるのですが、このステータスを「ステージ2」に引き上げないとi-ROADを予約することができません。

ステータスを引き上げるにはどうすればいいのか? 「プラスポイント」と呼ばれる得点を100以上にする必要があります。このポイントは利用回数の他、急加速・急減速等のないエコドライブや給油の実施、車両をキレイに使うことなどで貯まるようになっています。

無事に100以上になった暁には、晴れて……と思いますが、実はそうはいきません。
なにせ、このi-ROADの乗車感覚はクルマでも、バイクでも、自転車でも、ローラースルーゴーゴーでも何でもいいのですが、かつてないフィーリングとアクション。左右旋回時に車体が傾く動きが独特なので、運転感覚に慣れるために講習を受けなければなりません。

講習の最終ステージでこう言われます。

「この車庫入れに合格しないと、i-ROADの予約はできません」

講習というより検定、普通免許の検定を思い出させてくれる緊張感がそこには待っていました。

では、この講習を中心にi-ROADの乗車感覚をレポートさせていただきます。


【1】まずは基礎知識。ドンナ、ノリモノ、ナンデスカ?

東京・JR有楽町駅前にあるi-ROADタイムズ有楽町イトシアステーションにて座学からかスタートです。

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地下駐車場にズラリと並んだi-ROAD

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充電の仕方、乗車と返却手順を確認

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1対1でレクチャーを受けます

i-ROADの車両特性がについてレクチャーを受けます。前二輪が駆動、後一輪が操舵の三輪車。スタートボタン、ワイパー、ペダル、そして充電方法などの基本操作に加え、後一輪で操舵するイメージなど、この車両の特徴を学びます。

これが終了すると日比谷にある地下駐車場へ移動。移動はプリウスでした。そのプリウスを先導するのはスタッフが乗ったi-ROAD。プリウスの特等席から、実際にi-ROADがどんな動きをしながら走るのか観察するのです。

i-ROADの後ろ姿……。想像以上にロールしているように見えます。街行く人の注目が集まります。信号で止まっているi-ROADを見かけて、スマホで写真を撮る人もチラホラいるくらいです。

【2】駐車場でイキナリ運転講習!とにかく慣れろ!

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教官の後ろから必死についていく!

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ハンドルはクルマと同じ。幅が狭っ!

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トランシーバーから指示や注意の声が

地下駐車場へ到着。なんと駐車場構内の通路を3レーン占有!6人の選任スタッフがすでにパイロンを並べてあり、教官用と生徒(?)用のi-ROADが待ち構えていた。

正直、ここまではカタチだけの体験走行だとばかり思っていたのですが、実際は想像を超えていました。

最初はアヒルの親子のように一定間隔を空けて付いていくだけ。もちろん僕が子アヒル。ついていくだけなのですが、この段階で戸惑います。なにせi-ROADは後輪操舵なのです。単にロールするだけでなくリアが外側へ流れていく印象(ドリフトとはまた違う感覚)。

かつて体感したことのない、独特の操縦感覚。強引にいえば、アーケードゲームで敵を撃ち落とすスペースシップに乗っているかのようです。ハンドルスイッチがあれば、絶対にトリガーに見えてくるレベル。

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後輪で操舵。アタマじゃわかるケド、体感して初めて分かる感覚

 

この時点で心拍数が上がっていましたが、次はスラローム走行。これがですね、かなり本気モードなんです。i-ROADはリアルに最高速度60km/hが出るように作られているので、シッカリとした操縦感覚を身につけてもらおうという親心(?)なのでしょう。前を行く教官のペースが早い!

ちょっとムキになってついていったのですが、ここで発見がありました。ペースを上げてもi-ROADはとっても安定しているのです。ターンでもロールは大きくなるのですが、ドライバーが車両のバランスを保つ必要がなく、内側にも外側にも倒れる気配、ありませんでした!

さらに、急制動! 頑張って加速させてからのフルブレーキング。フロントタイヤは細いのですが、ちゃんと踏ん張ってくれます。

そしてユニークなのは、幅寄せして停めたところからの脱出。壁際に停めて普通にハンドルを切って前進すると、内輪差でリアを擦ってしまうことになるのです。どうすればいいのでしょう? 左側にピッタリ壁がある場合は右にハンドルを切って後進。これがファイナルアンサーになります。

などといったプログラムをみっちりこなしていると、いよいよ最終関門。車庫入れです。車庫入れ? と思われるかもしれせんが、この最終ステージに入る前に言い渡されます。

「この課題に落ちるとi-ROADの予約はできかねます」

そうです、i-ROADは運転感覚に慣れた者だけが運転することを許されるのです。フォースをもったジェダイのように、 運転技能をもった者だけが「i-ROADライダー」になれるのです。この最終ステージにすべてがかかっています。

i-ROADの車庫入れを理解するには、狭い場所でクルマを車庫入れすることをイメージしてください。前進か、後進かどちらがイージーですか? 圧倒的に後進だと思います。後進時は小回りが利きますからね。ご存知のようにステアリングを切るタイミングが重要です。早すぎると隣のクルマにぶつかってしまいまいすから。後輪操舵のi-ROADは、その真逆。圧倒的に前進からが入りやすいのです。そして同じ理由で隣のクルマと干渉することになります。

前進で車庫入れ、後進で車庫出し。どちらも重要なのはステアリングを切るタイミング。久々にドキドキしました。そして手に握った汗が教習所を思い出させました。

時間をかけてジックリとクリア。無事に「i-ROADライダー」になることができたのです。最後は全長4.2kmの路上講習でフィニッシュ! 最初は緊張しましたが、乗れば安定感は抜群。講習を受ければ誰もが運転できる乗り物でした!

【3】合格したら晴れてiROADライダーに

 

P1000891-1喜び勇んで後日、i-ROADを予約してお台場までプチツーリングに出かけました。初めてi-ROADライダーとしてひとり歩きした世界は何もかもが新鮮で、とってもビビッド!

これからの人生、立派なi-ROADライダーとして駆け抜けていきたい所存でございます!

<SPECIFICATIONS>
ボディサイズ:L2,345×W870×H1455mm
ホイールベース:1,695mm
重量:300kg
パワートレイン:電動モーター2個
最小回転半径:3.0m
最高速度:60km/h
1充電走行距離:30km
乗車定員:1名(日本)、2名(欧州)
利用料金:412円/15分(タイムズカープラス会員向けサービス*)
*月額基本料金などが必要

(文・ブンタ)

 

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