TIPはこのように親指と人差指を使って摘むように握って使います。スイッチは前後にふたつあり、手前がON/OFFのメインスイッチで、前が調光/モード切替のスイッチになります。
TUBEがモノスイッチでLowスタートだったのに対して、TIPは点灯後に調光スイッチで切り替えた明るさの状態でOFFにすると、次回点灯時はその明るさからスタートします。つまり、頻度が高いモードから点灯させられます。
とはいえ、そこまで複雑なモードが多数用意されているわけではありません。基本の明るさは3段階調光のみ。
最も明るいターボモードに入力するには、点灯後にいずれかのモードでモード切替スイッチを長押しします。すると最も明るいターボモードが作動します。 ちなみにターボモードは長くは使用できません。一定の熱を感知すると自動的に明るさを落とすATRテクノロジーを搭載しています。指で摘めるほどの小さなライトなので、明るいとLEDが発する熱を冷ますことができず壊れてしまいます。それを防止するための機能です。
充電はボディサイドにあるmicroUSBポートより行います。ケーブルは付属しませんが、汎用のmicroUSBケーブルで充電が可能です。また、ポートがむき出しですが、防塵防水性能を示すIPは54あり、雨に濡れた程度では壊れることはありません。
モバイルデバイスのUSBポートを見ると、本能的に「水が入ったら大変!」と思う方が多いですが、懐中電灯類でIPX4以上のモデルであればダストカバーの有無は文字通り埃除けくらいのもので、防水性を確保するようなものではありません。つまり、ポートが露出していてそこに水が溜まるようなことがあっても、ただちに浸水、破損となることはありません。充電の際は充分に水気を切ってからケーブルを差し込めばOKです。
ベゼルには小さいながらもリングベゼルが付いています。どの程度の効果があるかは分かりませんが、凝ってます。リフレクターは浅く小さいので、とても広角な配光になります。TUBEの照射角100°には及びませんが、こちらもかなり広角です。手元から広く広がるタイプ。日常で活躍するワイドでフラットな配光が期待できます。
実際の配光をHiモードで見てみましょう。TIP(XP-G2 CW)とTIP CRI で見え方の違いを注意してご覧下さい。
明るさにほとんど違いはありませんが、画像中央の床にある赤い印刷用紙の袋、これの色の違いが一番分かり易いかと。CRIの方が赤が鮮やかに見えるかと思います。実際には「そうかもしれない」程度の違いですが、こうして写真で見ると「あ~、確かに違うな」くらいのことです。色を見ることを重要視する方にはCRIをお薦めします。
次に計測器でCRI値とスペクトルを計測してみました。XP-G2はクールホワイトの典型である青が強くでた「青白い」ものですが、CRIは青以外の光りも豊かに出ております。
CRI値※が90以上ものがTIP CRIとなります。確かに看板に偽り無しの性能です。正直、CRIに関しては「好み」だと思います。懐中電灯のしかもキーライトでそれが重要か否かは分かりません。明るさを重視するのであればターボ360ルーメンが出せるXP-G2はそれだけで魅力的です。
※CRI=演色性。自然光と比べてどれだけ正確に色を再現できるかの数値で、100に近いほど再現性が高い
しかし、光りの質に拘るのは日本人の性分みたいなものです。高性能な蛍光灯照明に慣れきった私たちは恵まれた環境にありすぎるせいか、時としてLEDの「光りの質」に些細なクレームをつけてしまうことがあります。CRIモデルの存在は「そういった方々用」ではないかとさえ思います。明るさは落ちるけれども光の質はこちらが良いですよ~と言われている気がします。
ボディの造形は思っていたよりも丸みを帯びていて手にした時にゴツゴツした感じがありません。これも好みになりますが、私は良いのではないかと。鍵束やカバン等に付けて頻繁に使うのであればやはり握りやすい方が良いですからね。充分に明るく、日常使用では不満のない性能を発揮してくれると思います。充電して使用することで電池の交換も気にせず使えるのが何より嬉しいですね。
普段使いであると便利なキーライト。明るめの充電式のキーライトとしては価格もとても魅力的かと思います。(アカリセンター価格:「TIP XP-G2」3456円/「TIP-CRI」3888円)
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(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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