ワインと餃子を結ぶのは?ソムリエが選んだ赤と白とロゼ

■焼き餃子だけでなく水餃子も登場!

会場となったのは、中目黒に2015年11月にオープンしたカフェ&ビストロ「nakameguro SLOW TABLE」。緑に囲まれ、オープンテラスが気持ちいい店です。外からは普通のカフェにしか見えませんが、この店のメイン料理は、なんと餃子!?

「当店では、普段から餃子に合わせてワインを勧めています」と、SLOW TABLEオーナーの長尾研一さん。今回のイベントでは、西麻布のワインレストラン「プロヴィナージュ」のオーナーソムリエ田中浩史さんが特別にワインをセレクトしました。田中ソムリエと長尾オーナーとは、お互いが独立する前に勤めていた店で先輩後輩の間柄だそうで、二人の息はバッチリ!

一本目のワインは、ロゼシャンパーニュの「Champagne Grand Cru Brut Rose NV Janisson & Fils」。ヴェルズネイ村のピノ・ノワール90%+シャルドネ10%のグランクリュシャンパーニュです。なめらかなテクスチュアで、しっとり吸い付くような飲み心地があります。これをアミューズの「フルーツと野菜のキムチ」に合わせてみました。フルーツは、リンゴ、バナナ、マンゴー、野菜はミニトマトと玉ねぎ。

「ヴェルズネイのキメ細かさと、玉ねぎのシャリシャリした食感がよく合うと思う」と田中ソムリエ。試してみると、玉ねぎの食感はシャンパーニュに合いましたが、気分的には少々もったいない気もします。甘いミニトマトと、なめらかでとろけるようなマンゴーは、甘美な組み合わせです。甘め、テクスチュア柔らかめ、ほどよい酸味のテイストのフードが、このロゼシャンパーニュには合うように思いました。

さて、いよいよ餃子の登場です!

まずは、40日間熟成の豚肉を使った焼き餃子をいただきます。

外側はパリッと焼き上がり、皮はほどよい厚みがあり、むっちり。

豚肉は肉の食感が残る粗さに挽かれているので、肉感がしっかりし、ボリューム感があります。皮がむちっとしているので、ボリューミーな肉餡とのバランスはバッチリ。なお、SLOWの餃子は、化学調味料を一切使用していないそうです。

「餃子は皮と具のテクスチュアとストラクチャーが同じなため、マリアージュを考えるのに苦労したが、色々なソースと合わせることを思いついた」と田中ソムリエ。

餃子用ソースとして、(左手前より時計回りに)シーソルト、山椒と黒七味を加えたゴマ油、ヴィネグレッドで伸ばしたフランス産マスタードのソース、トマトソースを用意。

トリュフの風味が濃厚で、まったりした味わいのトリュフオイルも餃子用ソースに。

焼き餃子に合わせて、まずは白ワイン2種「Riesling Grand Cru Saering 2012 Schlumberger」と「Bourgogne Blanc Terres de Pierres 2014 Verget」でトライ。いずれもフランス産。

リースリングはアルザスのグランクリュ。独特のミネラル感があるので、シーソルトにレモンを絞ってみたところ、塩のミネラル感とよく合いました。

まろやかでこっくり感のあるブルゴーニュのシャルドネは、濃厚でまろみのあるトリュフオイルとドンピシャ! 両者のまろみ感がポイントです。

山椒と黒七味のゴマ油には、ドイツのヴュルテンベルク地域の赤ワイン「Trollinger “S”trocken 2014 Weingut Knauss」を。

▲赤ワインを注ぐ田中ソムリエ

赤はトロリンガーという品種。赤にしては淡い色調で、味わいは軽やか。チェリー系の風味があり、タンニンのキメも細かく、とてもまろやか。スーッと口の中に入ってくる爽やかさもあります。やさしいけれど、スパイシーさがあり、それが山椒と黒七味とマッチします。

焼き餃子と同じ40日間熟成豚の餃子を、水餃子にしていただきます。つるんとした水餃子は、さっぱりしていますが、皮のむっちり感と甘みが増し、なんともいえないおいしさ。

 

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