では、こうした土台に載って、i-ACTIVSENSEはどのように機能するのでしょうか? マツダ車は、3種類の方法で周囲を監視します。長距離は“レーダーセンサー”、近距離は“超音波センサー(または近赤外線センサー)”、そして、対象物の識別には“単眼カメラ”を用います。
AT誤発進抑制制御では、前方の障害物をカメラと超音波センサーで把握し、異常なアクセル開度を検知、つまり、間違えてアクセルペダルを踏み込むと、警告が発せられ、エンジン出力が絞られます(ブレーキをかけないのは、例えば踏切の中に自車が取り残され、無理矢理、前方のバーを押しのけて脱出する、といったシチュエーションが考えられるから、だそうです)。
同じように、バックの際にも車両後方を超音波センサーが監視していて、運転者が誤ってアクセルペダルを踏んだと判断すると、エンジンのアウトプットを抑え、警告を発し、(バックの場合は)自動ブレーキがかかります。いずれも、これからの(超)高齢化社会の、必須機能になりそうですね。
このAT誤発進抑制制御ほか、冒頭に述べたように、衝突被害軽減ブレーキ、BSM、RCTAの4種類が、2017年度、マツダ5車種に横展開されます。
余談ながら、取材現場で聞いた話をひとつ。すっかりマツダのお家芸(!?)になった感のある“技術の横展開”ですが、コレは「マツダ車の特性が全モデルともよくそろえられているから、やりやすいのです」と、エンジニアの方が教えてくれました。いうまでもなく、車種ごとに、車重も、使っているパーツも異なりますが、極端ないい方をすると、特定のテストドライバーの感性に“走り”が集約されているので、マツダ車の動的な特性は共通したものになります。そのため、新機能のチューニングにもブレが生じない。効率的に移植できるのです。
今後は、ドライビングプレジャーに加え、セーフティの面でも、マツダ車に共通の性能が与えられることになります。安全性を向上しながらの「Be a driver.」というわけです。
(文/ダン・アオキ 写真/ダン・アオキ、マツダ)
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