これまではそんないわゆる普通のパンも、美味しく食べるためにいろんな工夫をしてきました。時間が経ったパンを食べるときはちょっと霧吹きで水をかけてみたり、過熱部がよりパンに近いポップアップトースターを試して見たり、いわゆるなオーブントースターを試した数は数え切れないほどです。でもベストだと思えるトースターに出会ったことはありませんでした。
そんな今、ついに最高と言えるトースターに出会ったんです。それがこの夏発売された「BALMUDA The Toaster」(バルミューダ・ザ・トースター)です。その発表会レポートは前回紹介しました。そしてついにこのトースターが自宅に届きました。めくるめく至福のパンの時間の始まりです!
■最高の焼き上がりのトーストが毎日食べられる
すでに『&GP』でも複数回取り上げられているので、すでに知っている、またはすでに製品が届いて食べたという方もいるでしょう。なので機能の説明は簡単に。
この「BALMUDA The Toaster」はスチームと緻密な温度管理という2つの機能でパンを焼きあげます。
まずスチーム。5ccの水をトースターにセットしてスイッチを入れることで、庫内にスチームを作り出します。このスチームがパンの表面をコーティング。ゆっくりと熱を入れると同時に内部の水分を外に逃がさないための壁となります。
そして、モードによって最適な温度変化を描きながら、パンは焼かれて行きます。トーストやバゲットなど、表面をカリッと焦がしたいパンの場合、最後の最後に強火で焼きを入れて、表面をカリッカリに仕上げます。しかし、口にしてみるとわかります。トーストの中はしっとりとしており、水分が失われることなくふんわりとしているのです。これまで、ポップアップ型トースター以外でここまで表面をカリッと、中はふわっと仕上げられるトースターに出会ったことはありませんでした。
ポップアップトースターはパンの表面と加熱器が非常に近いため、表面だけを素早く焼くことができます。とはいえ、「BALMUDA The Toaster」とは異なり、内部の水分を逃がさないといった細かなコントロールはしていません。「BALMUDA The Toaster」で焼いたトーストの食感、焼け上がりは伝統だけを自慢にしているような古いポップアップトースターの数倍も上だと思います。
しかもオーブントースター型なので、チーズトーストなど、トーストの上に具を載せられるのも魅力。また、バケットやクロワッサンなど、トースト以外のパンも手軽に焼くことができるのです。
■焼きたてのような至福のクロワッサン
素敵なブーランジェリーや街のパン屋さんやコストコなどで筆者が必ず購入するのがクロワッサンです。もうこのパンの前ではカロリーとか考えちゃ駄目。その生地の食感とバターの香りの前にひれ伏すしかないのです。
ただ、このクロワッサンを自宅で美味しく食べようとするとこれがまた難しい。筆者はこれまでトーストをより美味しく焼くため、1300Wの強力ヒーターで一気に焼けるオーブントースターを使ってきましたたが、これでクロワッサンを焼くと、一瞬で上部が黒焦げになってしまうのです。そこで、ヒーターの弱モードでじわじわ焼くのですが、これがなかなかうまくいかない。なかはぬるかったり、表面だけ乾燥してしまったりの繰り返しなのです。
しかし、「BALMUDA The Toaster」はそんな悩みも解決してくれました。モードスイッチを「クロワッサン」にしてタイマーを回すだけで、表面を焦がすことなく、しっかりと焼いてくれます。この焼き上がりはまるでオーブンから出したての状態のようです。
おかげでいろんな店で買ってきた素敵なクロワッサンも美味しくいただけています。
■これからの朝食はパンがスタンダードになりそう
さて、「BALMUDA The Toaster」をお借りして数週間。もうこの至福のパンからは逃れられません。コンビニで買った普通の食パンに、数種類のチーズを好みで散らす。ときにはハムを置いたり、ケチャップを塗ってピザ風にするのも楽しいし、オリーブオイルをかけるのもオツ。ちなみに筆者の好みは、シュレッドチーズにブルーチーズをちょっとプラスして濃いめの味付けにしたチーズトースト。奥さんは、チェダーチーズを追加したタイプが好きとのことでした。
バゲットはそのまま焼いて、バターやオリーブオイルなどを塗って食べるのが基本ですが、焼く前に切っておくと、なにかをサンドするときに、柔らかく仕上がったクラム(パンのみ)を潰すことがありません。これはクロワッサンも同じです。
ただ、パンを焼くだけでも美味しくなる「BALMUDA The Toaster」。チーズを載せたり、具材をサンドするともっと楽しくなります。わが家ではしばらく、朝食はパンがスタンダードになりそうです。
(文・写真/コヤマタカヒロ)
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