【MINI クロスオーバー試乗】存在感は抜群!室内も“使える”実力派コンパクトSUV

リゾートホテルの駐車場で初対面となった新型MINI クロスオーバーですが、「大きくなったな…」というのが第一印象でした。何しろ、そのボディは、全長4315mm(先代比プラス195mm)、全幅1820mm(同プラス30mm)、全高1595mm(同プラス45mm)という、堂々たるサイズ。もはやGLAやティグアン、アウディ「Q3」などと“がっぷり四つ”の体格を手に入れたということです。

もちろん、MINIというネーミングゆえ“体の大きな小山さん”的な面白さはありますが、新世代MINIもデビューから16年。もはやその話題に触れるのは野暮かもしれません。ちなみに、この2世代目クロスオーバーのデビューと前後し、MINIのロゴマークも小変更を受けました。今後は“小さいクルマ”というだけでなく、プレミアムブランドとしてのイメージを明確に打ち出していくそうです。

ということで、新世代MINIファミリーとしては4車種目となるクロスオーバーですが、まずは日本向けモデルのラインナップを簡単にご紹介しましょう。

・クーパー D クロスオーバー:最高出力150馬力/8速AT(FF)
・クーパー D クロスオーバー ALL4:最高出力150馬力/8速AT(4WD)
・クーパー SD クロスオーバー ALL4:最高出力190馬力/8速AT(4WD)
・クーパー SE クロスオーバー ALL4:最高出力224馬力/6速AT(4WD)

といった布陣で、上の3モデルは全車2リッターの4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載するという思い切ったラインナップですが、先代モデルも、実はモデルライフ後半はディーゼルが販売の主流だったとのこと。そして、クーパー SE クロスオーバー ALL4はというと、1.5リッター直3ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルで、こちらも間もなく上陸予定とのことです。

さて、今回テストドライブに選んだのは、シリーズの中で最もホットモデルとなるクーパー SD クロスオーバー ALL4。落ち着いたトーンのボディカラー(チェスナット・ブラウン・ソリッド)に加え、ボンネットに黒いストライプがあしらわれており、一見、クラシカルなクロスカントリービークルのようにも映ります。

インテリアはというと、ズラリと並ぶ“トグルスイッチ”や、細部のクロームパーツといった演出により、派手さを抑えつつ、個性的かつ上質な空間となっています。もちろん、メーターパネルやダッシュボード中央部に収まるカーナビ画面などは、お馴染みの円形デザインが踏襲されており、従来モデルのオーナーも違和感を感じることはないでしょう。

とはいえ運転席に収まると、ドアやスイッチなど、各部の操作タッチやディテールの仕上げが、従来よりも上質になっていることに気づきます。また、フロントシートはたっぷりとしたサイズで、しっとり重厚な掛け心地。インテリア全体の質感がグッと引き上げられたようです。

しかし、インテリアにおいて最も大きく変わったのは、リアシートの居住性でしょう。ボディの大型化により、ホイールベースは従来モデル比プラス75mmの2670mmとなり、後席のレッグスペースは、ミドルクラスのサルーンと比べても遜色のない大きさを確保。シートバックや座面も十分なサイズですし、新たに後席用エアコン拭き出し口も備わるなど、どのシートに座っても快適なドライブを楽しめそうです。

また、リアシートは40:20:40の分割可倒式で、ラゲッジスペース容量も従来モデル比プラス100リットルの450リットルを実現。

加えて、ラゲッジスペース後端に折り畳み式の“ピクニックベンチ”を装備したり、リアバンパー下に足をかざすことでテールゲートを開けられる“オートマチック・テールゲート・オペレーション”を用意したりと、ウインタースポーツや自転車など、アウトドアアクティビティの相棒としての機能も強化されています。

【次ページ】クーパー SDは強力な加速がクセになる!

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