【MINI クロスオーバー試乗】存在感は抜群!室内も“使える”実力派コンパクトSUV

快適性やユーティリティが向上した一方、ボディの大型化と聞くとどうしても気になるのが、その走り。特にMINIファミリーといえば“ゴーカートフィーリング”と呼ばれる軽快な身のこなしが特徴でもあります。一抹の不安とともにセレクトレバーをDに入れ、右足に力を込めたところ…。心配は杞憂に過ぎなかったようです!

最高出力190馬力、最大トルク40.8kg-mを発生する2リッター直4ディーゼルターボは、出足からかなり強力なスタートダッシュを披露。背中にしっかりGを感じる加速は、クセになりそうなほど、といったらいいすぎでしょうか。また、MINIらしい機敏なステアリングフィールもしっかり健在で、こぶしひとつ、ふたつ分のステアリング操作でノーズの向きが変わります。このクイックな操縦感覚、フツーの乗用車から乗り換えると、最初こそ少々驚くかもしれませんが、例えば、高速クルージングで緊張感を伴うようなことなどはありませんので、ご安心を。

さて、市街地からワインディングロードまで走ってみて印象的だったのは、しっかりとした足腰。フロアやボディの剛性感はBMW「3シリーズ」や「5シリーズ」もかくや、というガッチリとした印象で、荒れた舗装路や大きめの目地段差を通過しても、不快な振動を感じることはなく、硬めながら快適な乗り心地といえるでしょう。

今回のモデルチェンジにおいて、もうひとつ忘れてはならないのが、安全装備を中心とした先進装備の充実。“アクティブ・クルーズ・コントロール”や“衝突回避・被害軽減ブレーキ”が標準装備となるなど、プレミアムコンパクトにふさわしい先進デバイスが搭載されました。また、タッチパネル式の8.8インチディスプレイやナビシステムも全車標準となったほか、ヘッドアップディスプレイやパーキングアシストもオプション設定されるなど、装備面で物足りなさを感じることはなさそうです。

身も心もひと回り、いや、それ以上の成長を遂げたMINI クロスオーバー。もはや口うるさい古典主義者(→私ですね)がネーミングに突っ込む以外、プレミアムコンパクトSAVとしてすきのない仕上がりとなっています。アウトドアレジャーも楽しみたいし、目的地までのドライブだって楽しみたいという欲張りな人にとっては、魅力的な1台といえるでしょう。

<SPECIFICATIONS>
☆クーパー SD クロスオーバー ALL4
ボディサイズ:L4315×W1820×H1595mm
車重:1630kg
駆動方式:4WD
エンジン:1995cc直列4気筒ディーゼルターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:190馬力/4000回転
最大トルク:40.8kg-m/1750~2500回転
価格:483万円

(文&写真/村田尚之)


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