私同様、各方面に乗り継ぎができなかった乗客は10名ほどいました。
たっぷり3時間以上待たされ、ようやっと、空港スタッフの引率で移動が始まりました。
宿泊するホテルは空港外にあり、ロシアに入国することになります。ロシアはビザが必要な国です。もちろんロシアのビザなど持っていません。いったいどうするのかと思いきや、イミグレーションで翌日の搭乗券にハンコを押してもらい、これで臨時入国できるようです。
ゲートからバスに乗り、いよいよホテルに向かいます。バスには数名の職員も乗り込み、バスの出入り口をガードしていました。乗客の逃走防止ですね。
バスはシェレメティーヴォ空港の二重ゲートをくぐり、ロシアへと入国しました。
すでに夜の23時。
10分ほどで空港の近くのホテル・ノボテルの裏口にバスが到着。職員用出入り口からホテル内に入り、会議室のような部屋に全員が集められました。ここで夕食のようです。
まずは、何だかよくわからない料理が運ばれてきました。
ミックスベジタブルのような野菜の煮込み? マヨネーズ和え? ドッグフードっぽいよね? という声が周りから聞こえてきました。たしかに…。
離乳食っぽくもあります。味は推して知るべし…。
離れたテーブルにパンやドリンク類が置いてあり、セルフで取りに行きました。
白いパンはパサついていましたが、茶色いライ麦パンはさすがにおいしい。
これで終わりか…と思いきや、さっきのは前菜で、メイン料理が運ばれてきました。
しっかりと火が通って硬くなった鶏の手羽先に、炭火焼風味のBBQソースが絡められています。パスタはゴムのような歯ごたえで、油ギッシュ。味もしません。日本で食べるパスタとはまったく違います。数本食べましたが、すぐに断念。
ビールでも飲みたかったのですが、なにぶん会議室。後でホテル内のレストランにでも行けばいいか、とこの時は思っていました。しかし、それは果たせない夢となりました。
というのも、食事の後、スタッフ用エレベーターで客室フロアに案内され、いったん部屋に入りましたが、レストランに行こうとするも、経路がわからなかったからです。もしや、ここはビザなし外国人用の特別なフロアか? すでに夜の0時に近く、しかも明日は朝の5:30集合と言われていたので、ビールは諦めて寝るしかありません。
幸い、フランスのホテルチェーンであり、部屋はちゃんとしていました。
湯沸かしサーバーとティーバッグ、インスタントコーヒー、ミネラルウォーターも備えられていたので、お茶を淹れて、ホッとひと息。
浴室にバスタブがあったのは嬉しく、使い捨てスリッパもありました。
私はいつも、1泊分の着替え、メイク落としや化粧水などを機内持ち込み用のバッグに入れているので、こういう非常時でも不便はありませんが、用意のない人は大変です。機内で履く使い捨てスリッパも捨てずに持っていました。海外ではスリッパがないホテルも多いので、スリッパも手荷物に入れておくと安心なアイテムです。