【マツダ ロードスター試乗】オートマ仕様の是非をオープン天国の地で問う

新型ロードスターのオートマ仕様は、まずなんといってもエキゾーストサウンドがいい。耳に心地良いのです。気のせいなのかと思っていたら、実際、AT仕様はマフラーに付くサイレンサーの消音材を増やし、高い周波数成分の音をカット。スッキリと力強いサウンドにしているそうです。芸が細かいですね。マツダ開発陣の“ロードスターLOVE”を感じさせます。

それに、加速がとってもリニア。息の長い加速が続きます。今時のATらしく、ルーズな滑りを感じさせませんし、トルクコンバーターの働きは1.5リッターエンジンとも相性が良いですね。シフトショックも気になりません。欧州車などに積まれる8速ATなどに比べると、スペック上は見劣りしますが、ロードスターの6速ATに「あと2速分足りない」と思わされるシーンは、正直ありませんでした。

中でも気持ちいいのは、コーナーを加速しながら抜けていく時に、欲しいところでシフトダウンしてくれること。シフトレバーでシフトダウンしてもいいですし、ステアリング裏のパドルでギヤを落としても構いません。ギヤ選びに迷いがないのはうれしいものです。アクセルワークだけに集中できますね。

そんなロードスターのオートマですが、市販モデルの生産に入ってから最終変更が加えられていました。アクセルペダルを踏み切るとスイッチがあり、そこを押さずに踏み切った状態でいるとギヤと回転はキープしたまま。しかしスイッチをカチッと踏み込むと、「フォン!」とブリッピングしてシフトダウンするようプログラムが書き換えられたのです。

どうでしょう? フルスロットルで高回転を保ちながらコーナーを抜ける場面もあるはず。そういったシチュエーションも想定し、最後の最後まで綿密にチューニングされた点には思わず感動しました。

ただし、量産に入ってから変更したため、1台1台プログラムを書き換える作業は大変だったようです。担当者は軽く叱られても不思議ではない場面ですが、ここにもこだわり、いえ、マツダ開発陣の“ロードスターLOVE”を感じさせます。

つまりオートマであっても、ロードスターは走りのクオリティを存分に追求したモデルとなっているのです。これは間違いありません。

そんなロードスターATで北海道の晴天を走り抜けると、それはもう爽快のひと言。まっすぐな道をお気に入りの音楽を聴きながら流していると、日常生活で溜め込んだストレスさえ、風とともにぶっ飛んでいくかのようでした。

さて、北の大地で見つけた結論です。

ロードスターはMTに限る! なんていっているアホなワタクシのことなどガン無視し、オートマ派の方も躊躇することなく、ロードスターを選んでください。走りとオープン走行の“一粒で二度美味しい世界”が待っています。

やり過ぎのロードスターに乾杯! ドライビングプレジャー万歳!!

<SPECIFICATIONS>
☆Sスペシャルパッケージ(6AT)
ボディサイズ:L3915×W1735×H1235mm
車重:1030kg
駆動方式:FR
エンジン:1496cc 水冷直列4気筒 DOHC 16バルブ
最高出力:131馬力/7000回転
最大トルク:15.3kg-m/4800回転
トランスミッション:6速AT
価格:280万8000円

(文/ブンタ、写真/小野光陽 GoodsPress編集部)

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